鉄鋼業で必要な転炉とは?排ガス処理装置の必要性と仕組み

転炉は鋼の精錬に重要な設備で、排ガス処理装置が必要です。OG装置などの技術により、発生する一酸化炭素や粉塵を効率的に処理し、再利用可能なエネルギーとして活用します。これにより、省エネルギーと環境負荷低減が実現されています。
目次
転炉とは?鉄所における排ガス処理装置の必要性

引用元:photo AC
鉄鋼業における転炉は、高品質な鋼を生産するために欠かせない設備です。鉄鉱石から精錬された銑鉄は、そのままでは強度や耐久性に欠けるため、転炉を用いて不要な不純物を除去し、さまざまな用途に適した鋼材へと加工されます。
転炉による精錬は、鋼の品質向上に重要な役割を果たしますが、排ガス処理の重要性も増しています。
◇転炉とは

転炉は、銑鉄に含まれる炭素やリン、ケイ素などの不純物を取り除いて鋼をつくるための精錬設備です。形状は樽(たる)や洋ナシに似ており、その内部に銑鉄と鉄スクラップを投入して使用します。
精錬の際には、炉内に高圧の酸素を吹き込むことで、銑鉄中の不純物と酸素が反応し、酸化が進みます。この酸化反応によって、炭素は一酸化炭素ガスとして排出され、リンやケイ素も取り除かれます。こうして不純物が減少した高品質な鋼が短時間で生成されます。
製鉄の初期段階では、鉄鉱石を高炉で溶かして「銑鉄(せんてつ)」と呼ばれる金属を生成します。この銑鉄は炭素を多く含むため硬くて脆く、そのままでは強度が求められる鋼材として使用することができません。
そこで用いられるのが転炉です。転炉では、銑鉄に高圧の酸素を吹き込むことで酸化反応を促進し、炭素やリン、硫黄などの不純物を効率的に除去します。この処理によって、鋼の強度や靭性(粘り強さ)が高まり、建築資材や自動車部品など、さまざまな工業製品に適した高品質な鋼材へと仕上がります。
高炉・電炉との違い

高炉・転炉・電炉は、どちらも鉄鋼を生産するための炉ですが、使う原料や工程、特徴が大きく異なります。
高炉は、鉄鉱石やコークス(石炭を加工したもの)を使って、鉄鉱石から「銑鉄(せんてつ)」という鉄のもとになる金属を作るための炉です。高炉の中で鉄鉱石を溶かし、炭素などが多く含まれた銑鉄を取り出します。
一方、転炉は、その銑鉄をさらに加工して「鋼(はがね)」を作るための炉です。転炉の中に銑鉄を入れて、酸素を吹き込むことで余分な炭素や不純物を取り除き、強くて使いやすい鋼にします。
電炉(電気炉)は主に鉄スクラップを原料とし、電気の力でこれを溶かして鋼を作ります。設備費や消費エネルギーが比較的少なく、リサイクル性や環境面で優れています。小ロット・多品種生産にも向いており、CO2排出量が少ないのが特徴です。
ただし、電気料金など外的要因でコストが変動しやすく、スクラップに含まれる不純物の影響で鋼の品質が転炉に比べて劣る場合があります。
一方、転炉(コンバーター)は主に高炉で作られた銑鉄を原料とし、そこに酸素を吹き込むことで炭素や不純物を効率よく除去し、短時間で高品質な鋼を大量生産するのに適しています。
◇転炉の役割

転炉には、大きく分けて2つの重要な役割があります。
脱炭(炭素の除去)
高炉でつくられる銑鉄には、約4%の炭素が含まれています。これは、高炉内で使われる還元剤(コークス)によって、鉄とともに炭素が還元され、銑鉄中に取り込まれてしまうためです。
転炉では、こうした炭素を酸素を吹き込んで燃焼させて除去します。これにより、粘りがあり、強度の高い鋼材へと変化させることができます。構造材としての信頼性を高める上で、この脱炭処理は非常に重要です。
不純物の除去
もうひとつの重要な機能が、銑鉄中の不純物(リン・ケイ素・マンガンなど)の除去です。転炉内に高純度の酸素を勢いよく吹き込むことで、これらの成分が酸化され、反応熱とともに燃焼します。
生じた酸化物は、投入された石灰と化合してスラグ(転炉滓)として分離・固定され、鋼とは別に排出されます。この処理は非常にスピーディーで、通常20分以内には精錬が完了し、銑鉄は鋼へと生まれ変わります。
◇製鉄所における排ガス処理装置の必要性

製鉄所では、生産工程において大量の排ガスが発生します。とくに転炉では、銑鉄に高圧の酸素を吹き込む過程で、高濃度の一酸化炭素(CO)を含む排ガスが大量に生成されます。
こうした排ガスは、大気汚染や地球温暖化の原因となる温室効果ガスの一因でもあり、そのまま放出することは環境への大きな負荷となります。
そのため、製鉄所では排ガスを適切に処理する装置の導入が欠かせません。排ガス処理装置を用いることで、有害物質の放出を抑え、環境への影響を最小限にとどめることができます。
さらに、排ガスには微細な粉塵も含まれており、これらが拡散すると人体に悪影響を及ぼす恐れもあります。そのため、排ガスを冷却・浄化し、必要に応じて再利用する処理プロセスが非常に重要です。
◇転炉排ガス処理設備の概要

転炉排ガス処理設備は、転炉から排出される高温ガスを冷却・浄化し、再利用するための装置群です。
なかでも広く使用されているのが「OG装置(Oxygen Converter Gas Recovery System)」で、このシステムは排ガスの一部を燃焼させることなく処理し、冷却・粉塵除去を行ったうえで再利用可能な形にします。
このプロセスにより、排出されるガスのエネルギーを有効活用できるだけでなく、燃焼によるエネルギー損失を抑え、環境への負荷も軽減されます。
さらに、スクラバーやバグフィルターといった除塵装置を組み合わせることで、排ガスに含まれる微細な粉塵を効率よく捕集し、大気中への拡散を防ぎます。処理された排ガスは、エネルギー源として回収され、製鉄工程内で再び利用されることで、省エネと環境保全の両立を実現しています。
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転炉の仕組みと発生する排ガスの種類

引用元:photo AC
転炉は、鉄鋼の精錬工程において、炭素やリンなどの不純物を除去し、鉄を鋼へと変える重要な役割を担っています。この精錬プロセスは、純酸素を銑鉄に吹き込み、不純物を化学反応によって酸化・除去することで進行します。転炉は、鋼を高品質にするための重要な設備であり、効率的な環境対策が必要です。
◇転炉の仕組み

転炉の内部は耐火レンガで覆われており、高温環境下で金属反応を効率よく進行させる構造になっています。さらに、転炉には傾ける機構が備わっており、溶銑(ようせん)や生成された溶鋼(ようこう)をスムーズに注入・排出できるようになっています。
精錬の初期段階では、溶けた銑鉄に純酸素を吹き込むことで、炭素やその他の不純物が酸化されます。炭素は一酸化炭素(CO)としてガス化され、リンや硫黄などの不純物はスラグ(溶融スラグ)として分離されます。この一連の反応により、約10分程度で高純度の鋼が得られます。
酸素の供給方法には、上方から吹き込む「上吹き」、底部から供給する「底吹き」、両方を組み合わせた「上底吹き」の3種類があり、それぞれに応じて反応の速度や処理効率が異なります。精錬の目的や装置の設計に応じて、最適な方式が選ばれます。
◇転炉で発生する排ガスの種類

転炉で発生する排ガスには、主に一酸化炭素(CO)を多く含む「転炉ガス(LDG)」をはじめ、コークス炉ガス(COG)や高炉ガス(BFG)などが含まれています。なかでも転炉ガスは約75%がCOで構成されており、燃焼させることで大きな熱エネルギーを生み出すのが特徴です。
製鉄所では、この高エネルギーな転炉ガスを単なる廃棄物とせず、燃料として再利用することで、エネルギー効率の向上とコスト削減を実現しています。一方で、排ガスには二酸化炭素(CO₂)や酸素、窒素、水素なども含まれており、これらのガス成分は環境への影響が懸念されるため、適切な処理が必要です。
そのため、製鉄所では熱回収システムや集塵装置を組み合わせて排ガス処理を行い、環境規制への対応と環境負荷の低減を図っています。
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製造現場で活躍する転炉の排ガス処理装置

引用元:photo AC
転炉の稼働に伴い発生する排ガスを効果的に処理するためには、専用の排ガス処理装置が不可欠です。特に、一酸化炭素(CO)を含む高温ガスは、エネルギー資源として再利用可能なため、適切な処理と回収が重要です。この役割を担うのがOG装置です。
◇OG装置とは
OG装置(Oxygen Converter Gas Recovery System)は、転炉から排出される一酸化炭素(CO)を多く含む排ガスを、安全かつ効率的に回収・処理するための設備です。このシステムでは、排ガスを燃焼させることなく冷却と除塵を行い、エネルギーの有効活用と環境負荷の低減を同時に実現します。
装置にはボイラー方式の冷却機構が組み込まれており、排ガスに含まれる熱エネルギーを回収して蒸気として再利用することで、省エネルギー効果が一層高まります。
さらに、サチュレーター(Saturator)とRSW(Rotating Spray Washer)と呼ばれる高性能な集塵ユニットを備えており、排ガス中の微細な粉塵を効果的に捕集。これにより、大気中への煤塵(ばいじん)排出を抑制し、周辺環境の保全にも大きく貢献しています。
◇富士岐工産株式会社のOGフード

富士岐工産は、このOGフードの製造において国内シェア90%超を誇る圧倒的なトップ企業です。同社は、北九州工場にて設計・製缶・溶接・表面改質の全工程を一貫して行える国内唯一の体制を確立しており、従来のように複数の外注業者を横持ちで使う必要がないため、品質、納期、コストのすべてにおいて高い顧客満足を実現しています。
OGフードの構造は、数百本の水管をフィンでつなぎ隙間なく溶接する「メンブレン構造」が特徴です。非常に高密度な溶接作業が求められ、仮組立段階から熱による寸法変化を想定して製造を進める必要があります。
富士岐工産では、これまでの豊富な納入実績と、必要に応じた試作検証を通じて、常に高品質な製品を安定して供給できる製造体制を整えています。
また、OGフードには酸素吹き込み孔や合金投入孔があり、その周囲には三次元的な複雑な水管の曲げ加工が必要です。この作業は、直径40mm程度のパイプを炎で熱し、色合いと感覚で曲げるという職人技によって支えられています。
◇スチールプランテックのOG設備

スチールプランテック株式会社のOG設備は、「非燃焼型」のシステムで、従来の燃焼方式に比べて排出されるガスの量が少なく、装置がコンパクトに設計できるのが特徴です。設置の自由度が高く、建設コストも抑えられるため、多くの製鉄所で採用されています。
排ガスの冷却にはボイラー方式が用いられており、排ガスに含まれる熱エネルギーを蒸気として回収・再利用することができます。回収されたCOガスも燃料として活用できるため、エネルギーの無駄がなく、全体の省エネ効果が高まります。
また、集塵にはスチールプランテック独自の高効率な方式(Saturator+RSW)を採用しており、排ガス中の微細な粉塵を効果的に除去します。これにより、大気中への煤塵排出を大幅に減らすことができ、環境保全にも貢献しています。
このOG設備は世界中で170基以上の導入実績があり、転炉排ガス処理の標準的なシステムとして広く認知されています。最近では、2023年にブラジルのウジミナス製鉄所にて2基のOG設備の改造工事を完了し、実際に稼働を開始しています。
エネルギーの再利用、設置スペースの効率化、環境対策など、多くのメリットがあることから、今後も国内外の製鉄所での導入が期待されています。
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転炉から生じる「鉄鋼スラグ」の活用方法

製鉄工程の中でも、転炉による精錬時には「鉄鋼スラグ」と呼ばれる副産物が大量に発生します。これは、銑鉄から炭素やリン、ケイ素などの不純物を取り除く際に生成されるもので、かつては廃棄物として扱われていました。
しかし近年では、スラグの有効利用が進み、土木資材やセメント原料など、さまざまな分野で活用されています。
◇鉄鋼スラグとは

鉄鋼スラグは、鉄鋼の製造過程で発生する石砂状の副産物であり、その中でも「転炉系製鋼スラグ」は、銑鉄を鋼に精錬する際に生じるものです。鉄鋼スラグはほぼ全量が有効利用されており、さまざまな分野で活用されています。
主な有効性は以下の通りです。
土木・建設資材としての利用
製鋼スラグは、道路の路盤材や土木工事用資材、地盤改良材として広く使われています。高い粒子密度と硬度、耐摩耗性、水硬性(時間とともに強度が増す性質)を持ち、天然砕石の代替として活用されることで、自然資源の消費削減にも貢献しています。
海域環境の改善
鉄鋼スラグは、海藻が生育できる浅場の造成や、廃木材由来の腐植物質と混合して海藻へ必要な鉄分を供給するなど、海の生物多様性保全やブルーカーボン(海洋植生によるCO2固定化)にも役立っています。
セメント原料・コンクリート骨材
高炉スラグは高炉セメントの原料として使われ、製鋼スラグもコンクリート骨材として利用可能です。高炉セメントは製造時のCO2排出量を削減でき、環境負荷の低減に寄与します。
農業分野での肥料利用
鉄鋼スラグには植物の生育に必要な栄養分が含まれているため、肥料としても利用され、農業生産性の向上にも貢献しています。
地盤改良や防草舗装材
スラグの自己硬化性を活かし、林道や農道の簡易舗装、メガソーラー設置場所の防草舗装などにも使われています。
これらの用途により、鉄鋼スラグは廃棄物ではなく有用な資源として循環利用されており、環境負荷の低減、資源循環、CO2排出削減、自然環境の保全など、持続可能な社会の実現に大きく貢献しています。
◇作物の病害が軽減した事例

転炉スラグには、農作物の病害、特に土壌伝染性の病気を軽減する効果があります。具体的には、ほうれんそうの連作によって発生しやすい萎凋病(フザリウム菌による)に対して、転炉スラグを土壌に施用することで発病が抑えられることが実証試験で確認されています。
この効果の主な理由は、転炉スラグが土壌pHを上昇させる性質を持つためです。萎凋病などの土壌病害菌は酸性土壌を好むため、土壌pHを7.0~7.5程度の中性~弱アルカリ性に矯正することで、病害の発生を抑えることができます。
また、転炉スラグはケイ酸カルシウムを主成分とし、微量要素も含むため、pHを上げても微量要素の欠乏が起きにくいという利点があります。
実際の試験では、転炉スラグを施用した区画で萎凋病の発生が明らかに軽減され、その効果は翌年も持続していることが確認されています。北海道胆振地域など複数のJAで同様の効果が報告されており、現地の農家でも導入が進んでいます。
様々な現場で活躍する排ガス処理装置を提供するメーカー
環境規制の強化とともに、鉄鋼業界では排ガス処理技術の向上が求められています。
現在、国内には多くの排ガス処理装置メーカーが存在し、それぞれ独自の技術を活かした製品を提供しています。
◇サンレー冷熱株式会社

サンレー冷熱株式会社は、排ガス処理装置の開発・製造において80年以上の歴史を持つ企業です。
同社は、バーナーの燃焼技術を基盤にした脱臭装置をはじめ、VOC(揮発性有機化合物)処理装置や熱風発生装置を提供しています。
これにより、悪臭対策や作業環境の改善、省エネルギー対応といった幅広いニーズに応えることが可能です。
会社名 | サンレー冷熱株式会社 |
所在地 | 〒573-1132 大阪府枚方市招提田近3-25 |
電話番号 | 072-856-3221 |
公式ホームページ | https://www.sunray-r.co.jp/environment/ |
さらに、同社の強みは多様な技術の組み合わせにあります。
例えば、触媒燃焼式脱臭装置は低温で熱分解を行うため、省エネ性能が高く、直接燃焼式脱臭装置は高温処理による高い処理効率を実現します。
また、大阪・東京を中心に国内外にサービス拠点を持ち、迅速なアフターサポートが可能である点も大きな利点です。
サンレー冷熱株式会社について詳しく知りたい方はこちらも併せてご覧ください。
▼サンレー冷熱は充実したメンテナンス体制とアフターサービスを提供
さらに詳しい情報は公式ホームページでも確認できます。ぜひチェックしてみてください。
◇三菱重工

引用元:三菱重工
三菱重工は、排ガス処理装置を含む大気環境対策システム(AQCS)を提供する総合エンジニアリング企業です。
同社は、集じん装置、脱硫装置、脱硝装置などを幅広く取り扱い、特にバグフィルタの分野では豊富な納入実績を誇ります。
このバグフィルタは、排ガスに含まれる微粒子を効果的に除去し、クリーンな環境を維持するために不可欠な装置です。
会社名 | 三菱パワー株式会社 |
所在地 | 〒100-8332 東京都千代田区丸の内3-2-3 |
電話番号 | 045-200-6100 |
公式ホームページ | https://www.mhi.com/jp/ |
また、三菱重工グループの一員として、脱炭素化への取り組みを強化し、リサイクル技術の開発にも積極的に取り組んでいます。
世界的な環境規制の強化に対応する高度な技術力を持ち、グローバルな排ガス処理のニーズに応える体制を整えています。
三菱重工について詳しく知りたい方はこちらも併せてご覧ください。
▼有機溶剤排ガス処理装置で解決する臭気問題と三菱重工が提供する製品の魅力
◇株式会社いけうち

引用元:株式会社いけうち
株式会社いけうちは、「霧のいけうち」として知られるスプレーノズル技術の専門企業であり、排ガス冷却システムを中心とした製品を展開しています。
同社の排ガス冷却システムは、適切な水量・粒子径・噴射角度を考慮したノズル選定により、燃焼負荷の増大にも対応可能な設計となっています。
また、気水比130という省エネ設計により、空気消費量を削減しながら高精度な温度制御を実現します。
会社名 | 株式会社いけうち |
所在地 | 〒550-0011 大阪府大阪市西区阿波座1-15-15 第一協業ビル |
電話番号 | 06-6538-1075 |
公式ホームページ | https://www.dry-fog.com/jp/ |
鉄鋼業における転炉排ガス冷却だけでなく、セメント業や産業廃棄物処理施設にも応用されており、その汎用性の高さが特徴です。
軽量・コンパクトな設計により、設備の導入が容易であり、多様な業界で活用されています。
排ガス処理装置について詳しく知りたい方はこちらも併せてご覧ください。
まとめ

転炉は、鉄鉱石から鋼を精錬するための重要な設備で、銑鉄に酸素を吹き込むことで不純物を除去し、高品質な鋼を生産します。しかし、この過程で発生する排ガスは大気汚染や温室効果ガスを引き起こすため、排ガス処理装置の導入が不可欠です。特に転炉では、高濃度の一酸化炭素(CO)を含むガスが排出され、これを適切に処理することが重要です。排ガスには微粒子状の粉塵も含まれ、これが人体に悪影響を及ぼすため、冷却、浄化、再利用が求められます。
転炉排ガス処理設備は、ガスを冷却し、粉塵を除去して再利用可能にする装置群です。OG装置(Oxygen Converter Gas Recovery System)は、排ガスを燃焼せずに処理し、熱エネルギーを蒸気として再利用することでエネルギー効率を向上させます。また、高効率な集塵機構を搭載し、微粒子を捕集して大気中への排出を減少させます。
さらに、転炉で発生する排ガスには一酸化炭素(CO)や二酸化炭素(CO₂)、窒素、水素などが含まれており、これらを環境規制に従って処理するために、熱回収装置や集塵装置が使用されます。製鉄所では、これらの技術を活用し、エネルギー効率を向上させるとともに、環境負荷を軽減しています。
排ガス処理技術の向上により、鉄鋼業界では省エネルギーと環境保護の両立が進んでおり、企業やメーカーは高効率な排ガス処理装置を提供することで、持続可能な製鉄プロセスの実現に貢献しています。
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