株式会社エコムは3種類の排ガス処理装置を製造!世界各国で実績
株式会社エコムは、静岡県浜松市を拠点に加熱設備や排ガス処理装置を設計・製造する企業です。直燃式、触媒燃焼式、蓄熱燃焼式の脱臭装置を展開し、環境保全と省エネルギーに注力しています。
また、IoTを活用した遠隔監視システム「Miterune」やメンテナンスで設備の安定稼働を支援しています。国内外で高い評価を得ており、グローバル市場で環境基準やニーズに応じた製品を提供しています。
目次
株式会社エコムとは?
株式会社エコムは、静岡県浜松市に本社を構え、加熱設備の設計・製造・メンテナンスを行う企業です。特に排ガス処理装置の開発に力を入れており、環境保全と省エネルギーを追求しています。
創業以来、多岐にわたる熱技術のノウハウを蓄積し、国内外の企業から厚い信頼を得ています。
◇産業システム
エコムの産業システム事業では、産業用の多機能な加熱設備を提供しています。
例えば、乾燥炉や熱処理炉、脱臭装置などがあり、これらはすべて顧客のニーズに合わせたカスタマイズが可能です。独自の設計思想である「省エネ・時短」を徹底しており、設計から製造まで一貫して行います。
このようなシステムは、効率的な生産プロセスを実現し、同時に環境負荷を最小限に抑えることを目的としています。さらに、熱技術の応用範囲は幅広く、食品、医療、自動車などさまざまな分野で利用されています。
◇保守サービス
エコムの保守サービスは、設備の安定稼働を支える重要な役割を果たしています。定期メンテナンスや突発的な不具合への迅速な対応を通じて、顧客の生産活動をバックアップしています。
さらに、IoT技術を活用した「Miterune(ミテルネ)」というリモートモニタリングサービスも提供しており、リアルタイムで設備の状態を監視し、トラブルを未然に防ぎます。このサービスにより、メンテナンスの効率化と稼働率の向上を実現しています。
また、設備の省エネルギー診断も行い、運用コストの削減に貢献しています。
◇世界中で納入実績がある
エコムの製品は、日本国内のみならず、世界各国で広く採用されています。アメリカ、ブラジル、中国、インドなど、グローバル市場での納入実績は多岐にわたり、各地域での環境基準や産業ニーズに対応した製品を提供しています。
この国際的な成功の背景には、エコムの技術力と柔軟性が挙げられます。
また、海外顧客への対応力を高めるため、現地サポート体制も充実させています。これにより、顧客満足度を高め、さらなるグローバル展開を目指しています。
株式会社エコムは3種類の排ガス処理装置を製造
株式会社エコムでは、排ガス処理装置として3種類の脱臭装置を製造しています。それぞれ異なる技術特性と用途を持ち、排ガスの性質や運用条件に応じて選択可能です。
◇直燃式脱臭炉
直燃式脱臭炉は、臭気ガスを650~800℃程度の高温に加熱し、臭気成分を酸化分解する方式です。この方法は構造がシンプルで信頼性が高く、幅広い有機物質の処理が可能です。
また、脱臭効率は95%以上を誇り、汚泥乾燥機や塗装乾燥設備など多様な用途で利用されています。
ただし、燃焼温度が高いためランニングコストがやや高い点がデメリットです。この問題を軽減するため、排熱回収装置を併用することが一般的です。
さらに、設備がコンパクトで設置が容易なため、小規模な現場でも活用されています。
◇触媒燃焼式脱臭炉
触媒燃焼式脱臭炉は、臭気ガスを200~350℃の低温に加熱し、触媒を通過させて臭気成分を化学的に分解する方式です。この方式は触媒反応熱を利用することで燃料費を削減できるため、ランニングコストが低いのが特徴です。
脱臭効率は99%以上と非常に高く、石油化学工業や食品加工などの分野で活躍しています。
ただし、触媒の劣化による定期的なメンテナンスが必要であり、触媒自体のイニシャルコストが高い点は注意が必要です。触媒毒となる物質を事前に除去する対策が求められる場合もあります。
それでも、低温での処理が可能で、安全性や耐久性にも優れているため、多くの企業に採用されています。
◇蓄熱燃焼式脱臭炉
蓄熱燃焼式脱臭炉は、800~900℃の高温で臭気ガスを処理する方式で、熱交換効率に優れています。蓄熱体を利用して排ガスの熱を回収・再利用する仕組みのため、燃料消費量を大幅に削減できます。
この方式は特に大風量の排ガス処理に適しており、長時間の継続運転が求められる現場で重宝されています。蓄熱体は経年劣化が少なく、交換コストを抑えられるのもメリットです。
ただし、設備規模が大きくなるため、広い設置スペースが必要である点が課題です。
また、タールやヤニが蓄熱体に詰まるリスクがあるため、定期的な清掃が重要です。全体として、効率性とコスト削減の両立を目指す企業に適した装置といえます。
株式会社エコムの排ガス処理装置・脱臭装置を紹介
株式会社エコムが製造する排ガス処理装置には、用途や処理条件に合わせて選べる3種類の脱臭装置があります。
◇直燃式脱臭装置 D845
画像出典:エコム
直燃式脱臭装置 D845は、臭気ガスを750℃に加熱して酸化分解を行うシンプルかつ信頼性の高い装置です。
主な特徴として、臭気成分を無害な水蒸気や二酸化炭素に分解し、同時に排熱を活用して臭気ガスを予熱することで省エネルギー化を実現します。これにより、処理効率を最大化しながら運用コストを最小限に抑えることができます。
この装置の外形寸法はW2100×L5700×H3000で、都市ガスを熱源とし、幅広い有機物質に対応可能です。塗装乾燥設備や食品加工などの用途に適しており、小規模な現場での設置も容易です。
◇触媒燃焼式脱臭装置 D746
画像出典:エコム
触媒燃焼式脱臭装置 D746は、350℃の低温で臭気ガスを処理し、触媒反応を通じて臭気成分を酸化分解する方式です。
装置には貴金属触媒を搭載しており、燃焼時に発生する反応熱を利用して運用コストを削減します。低温での処理により安全性が高く、排熱の再利用によってさらに省エネルギー化が図られています。
D746の外形寸法はW1200×L3500×H2300で、コンパクトな設計が特徴です。この装置は、石油化学工業や有機化学工業など、多様な分野で活用されており、特にランニングコストを重視する企業に最適です。
触媒の寿命を延ばすためのメンテナンスも比較的容易で、長期的な運用が可能です。
◇蓄熱式脱臭装置 D001
蓄熱式脱臭装置 D001は、高効率の熱交換システムを搭載し、排熱を再利用して燃料消費を抑える革新的な装置です。
この装置では、臭気ガスを800~900℃まで加熱して処理し、ハニカムセラミックス蓄熱体を使用して熱エネルギーを効果的に蓄積します。これにより、長時間の連続運転が可能となり、設備の耐久性が向上します。
D001の外形寸法はW7500×D15000×H12000と大型で、大風量の排ガス処理に対応できます。
食品加工や塗装乾燥設備など、連続運転が必要な用途に特化しており、燃料コストの大幅な削減が期待できます。設備の設置スペースを確保する必要はありますが、高効率とコスト削減を同時に実現するソリューションです。
その他の排ガス処理装置おすすめメーカーをご紹介
これまで株式会社エコムの排ガス処理装置についてご紹介してきましたが、他にも優れた技術を持つメーカーがあります。
ここでは、サンレー冷熱、カンケンテクノ、中外炉工業の3社について、それぞれの排ガス処理事業を詳しく見ていきます。
◇サンレー冷熱
サンレー冷熱は、燃焼技術を基盤とした環境装置の開発を行う老舗メーカーです。創業80年の歴史を持ち、その技術力は信頼性の高さで知られています。
同社の排ガス処理装置は、低NOx、省エネルギー、クリーン燃焼を実現する独自のバーナ技術が特徴です。
また、燃焼式脱臭装置や電気触媒式、プラズマ方式を採用した多様なラインアップを揃えています。
さらに、初期計画から保守管理までの一貫した技術サポート体制を提供し、長期的な運用を支えるサービスが充実しています。特に、大規模なプラントに適した装置やカスタマイズ対応力が評価されており、クリーンな環境づくりに貢献する企業として定評があります。
◇カンケンテクノ
カンケンテクノは、大気環境保全装置の専門メーカーで、特に半導体製造などで発生する有害ガス処理に強みを持っています。同社は、スクラバや熱酸化技術を活用した多様な除害装置を提供し、高い処理効率と環境への配慮を両立しています。
また、VOC(揮発性有機化合物)の処理を目的とした大型設備も展開し、幅広い業種のニーズに応えています。
同社の技術は、設計・製造・販売・メンテナンスまでを一貫して内製化しており、高品質かつ迅速な対応が可能です。環境装置においては、希ガスの回収・再利用技術を持つガスリサイクル装置も提供しており、持続可能な社会実現に向けた技術革新を推進しています。
◇中外炉工業
中外炉工業は、排ガス処理装置だけでなく、熱処理技術全般において業界をリードする存在です。同社の排ガス処理装置は、大規模プラント向けの高性能装置として高く評価されています。
特に、鉄鋼業や非鉄金属分野での環境装置に強みを持ち、キルンや環境プロセス設備を提供しています。
同社の排ガス処理装置は、脱炭素技術の推進にも力を入れており、省エネルギー性に優れた設計が特徴です。
また、研究開発の一環として受託テスト設備を備え、顧客のニーズに基づく最適な処理プロセスを提案しています。これにより、排ガス処理における課題解決を包括的にサポートしています。
株式会社エコムは静岡県浜松市を拠点とする企業で、加熱設備や排ガス処理装置の設計・製造・メンテナンスを行っています。特に環境保全や省エネルギーを追求した排ガス処理装置の開発に注力し、国内外で高い評価を得ています。
同社の主力製品には、直燃式、触媒燃焼式、蓄熱燃焼式の3種類の脱臭装置があります。直燃式は高温で臭気を酸化分解するシンプルな方式、触媒燃焼式は低温で高効率な脱臭を実現、蓄熱燃焼式は熱エネルギーを再利用して燃料消費を抑えます。それぞれ多様な用途や条件に対応可能です。
さらに、設備の安定稼働を支えるメンテナンスサービスや、IoTを活用した遠隔監視システム「Miterune」による効率的な管理体制も提供。これにより、設備の稼働率向上やコスト削減に貢献しています。グローバル市場にも進出し、環境基準やニーズに応じた製品を展開しています。