ユーザーの立場に立った設計・生産を行う旭化成エンジニアリング
旭化成エンジニアリングは、プラントメンテナンスやエンジニアリングを主な業務としており、プラントエンジニアリングでは、プロセス設計から施工まで一貫して対応し、蒸留や膜分離、生物処理技術などを提供します。プラントライフサービスでは、設備の安定運用とコスト削減を実現しています。
また、直接燃焼式と触媒酸化式排ガス処理装置で、効率的な排ガス処理を行います。
目次
旭化成エンジニアリングとは?
旭化成エンジニアリング株式会社は、1972年設立で、資本金4億円を持ち、旭化成株式会社が100%出資する企業です。主にプラントメンテナンスやエンジニアリングを手掛け、関連会社には向陽プラントサービス株式会社があります。
◇プラントエンジニアリング
プラントエンジニアリングでは、最適なプロセス設計から施工まで一貫したエンジニアリングを提供します。具体的には、蒸留や吸収などの基礎計画から、膜分離技術や生物処理技術を駆使した排水処理、バッチプロセスのグレードアップ、VOC処理技術などを含みます。
また、シート・フィルムや医療用糸の生産ライン設計、組立加工ラインの自動化など、幅広い分野で高付加価値な技術を提供しています。
◇プラントライフサービス
旭化成エンジニアリングのプラントライフサービスは、設備の安定操業とコスト削減を実現します。総合メンテナンスサービスでは、計画から実施、レビューまで一貫して対応し、計画保全コンサルテーションで設備故障の低減と保全費削減を目指します。
回転機器や静止機器の診断サービスには、Web型遠隔自動振動診断システムや無線ネットワーク型診断システムが含まれ、異常兆候の早期発見やトラブル防止を支援。静止機器には非破壊検査や配管肉厚管理システムを提供し、設備の安全性を確保します。
◇電気・情報・通信・制御ソリューション
旭化成エンジニアリングの電気・情報・通信・制御ソリューションは、安全性、安定性、効率化を追求し、製造業の強化を図ります。業務分析や生産管理システム、停電診断・点検サービス、活線診断サービスを提供し、電気設備の診断や改善エンジニアリングも行います。
また、防爆ソリューションや音声認識システム、製造工程管理システム、バッチ反応器の温度制御システムなど、多様なニーズに応じたソリューションで、プラントの運用と生産性向上を支援します。
◇シミュレーション・最適設計
旭化成エンジニアリングのシミュレーション・最適設計サービスは、商品開発を加速させるために、幅広いシミュレーション技術と実験技術を提供します。流体と構造体の連成解析システムを使って、衝撃時のエネルギー吸収の高い装置設計を支援しています。
樹脂用材料モデルでプラスチックの力学的挙動を再現し、マルチスケールシミュレーション技術でミクロから製品レベルまでの強度や剛性予測を行います。CAEソリューションプラットフォームを利用し、独自のシミュレーションアプリケーションをオンデマンドで提供します。
旭化成エンジニアリングの強み
旭化成エンジニアリングの強みは、その広範な事業領域で培った豊富な経験と、エンジニアリングの視点とオーナーの視点を兼ね備えた独自のアプローチにあります。同社は旭化成のエンジニアリング部門として発足し、ケミカル、繊維、医薬・医療、住宅、エレクトロニクスなど、多様な分野で設計、建設、保全、生産管理などの業務に携わってきました。
特に優れているのは、ファインケミカルエンジニアリングの分野であり、特色あるパッチプロセスなどを駆使して高度な化学プロセス技術を提供しています。環境エンジニアリングにも力を入れており、排水、廃液、排ガス処理に関する単位操作技術を最適に組み合わせることで、環境負荷を低減しています。
さらに、機器設計や製作では、コンバーディングやメカトロニクスの技術を活用して、構想設計から実装までを一貫して行い、クライアントのニーズに応えています。
生産管理の分野では、現場と経営情報をリアルタイムで統合し、生産活動の効率化と経営の俊敏化を実現しています。また、蓄積した診断データや保全ノウハウを基に開発した設備診断技術により、保守管理の精度を向上させています。
さらに、画像解析や欠陥検査技術、マルチスケールシミュレーションなどの先端技術を駆使して、品質の向上にも貢献しています。
同社は、開発したプロセスや設備、システム、ソフトウェアに関して実運用から得たフィードバックを反映し、常に改良を重ねています。
このように、単なる技術力を超えて、お客様の現場やニーズを深く理解し、高付加価値なソリューションを提供することが、旭化成エンジニアリングの最大の強みです。
旭化成エンジニアリングの直接燃焼式排ガス処理装置を紹介
旭化成エンジニアリングが取り扱っている直接燃焼式排ガス処理装置とその導入事例をご紹介します。
◇特徴
画像出典:旭化成エンジニアリング
直接燃焼式排ガス処理装置は、助燃料を用いて高温の雰囲気を生成し、その中で排ガスを酸化分解する技術です。これにより、ほとんど全ての種類の排ガスを処理可能で、触媒酸化処理では処理困難な被毒物質を含む排ガスや、塩素・フッ素を含む排ガスにも対応できます。
設備は組成や濃度、排ガス量の変動に強く、熱回収設備と組み合わせることでエネルギー効率を向上させることができます。この技術は、高い処理能力とエネルギー効率の向上を実現します。
◇事例
画像出典:旭化成エンジニアリング
直接燃焼式排ガス処理装置の事例として、印刷機から発生する臭気ガスの処理が挙げられます。顧客のニーズに応じて、臭気ガスを確実に処理するために導入されました。
このシステムでは、廃熱ボイラーを用いて蒸気として熱回収を行い、処理費用のコストダウンにも成功しました。高温の燃焼環境でVOC成分を酸化分解することで、臭気ガスを効率的に処理し、エネルギー効率を向上させるとともに、コスト削減を実現しました。
旭化成エンジニアリングの触媒酸化式排ガス処理装置を紹介
旭化成エンジニアリングが取り扱っている触媒燃焼式排ガス処理装置とその導入事例をご紹介します。
◇特徴
画像出典:旭化成エンジニアリング
旭化成エンジニアリングの触媒酸化式排ガス処理装置は、排ガス中のVOCを触媒で酸化分解し、脱臭する技術です。
この装置は、廃熱回収装置、昇温装置、反応器から構成されており、排ガスはまず廃熱回収装置で予熱され、その後、昇温装置で所定の温度に加熱されます。加熱された排ガスは反応器内で触媒によって酸化分解され、清浄な状態で排出されます。
VOCガスは250~350℃の低温で分解を開始し、VOC濃度が高ければ自燃が可能で助燃料が不要になる場合もあります。
また、昇温装置には助燃料バーナー、蒸気ヒーター、電気ヒーターを使用でき、設備はコンパクトでランニングコストも低く、立上げ・立下げが容易です。
◇事例
画像出典:旭化成エンジニアリング
旭化成エンジニアリングの触媒酸化式排ガス処理装置の事例として、工場から排出される臭気ガスの処理があります。このガスには微量の有機シリコーンが含まれ、濃度の変動が大きいため、対応が必要でした。
導入に際し、前処理触媒を使用して有機シリコーンに対応し、廃熱回収装置のバイパスや外気導入などの制御機構を取り入れることで、濃度変動にも対応しました。これにより、安定して臭気ガスを処理することができました。
旭化成エンジニアリング株式会社は1972年に設立され、旭化成株式会社が100%出資する企業です。主にプラントメンテナンスとエンジニアリングを行い、関連会社には向陽プラントサービス株式会社があります。
プラントエンジニアリング部門では、プロセス設計から施工まで一貫したサービスを提供し、蒸留、膜分離、生物処理技術などを駆使しています。プラントライフサービスでは、設備の安定運用とコスト削減を実現し、総合的なメンテナンスと診断サービスを行っています。
電気・情報・通信・制御ソリューション部門では、生産管理システムや点検サービスを通じて製造業の強化を図ります。シミュレーション・最適設計では、商品開発を加速するための技術を提供し、CAEソリューションプラットフォームを利用して強度や剛性の予測を行います。
さらに、旭化成エンジニアリングは、直接燃焼式と触媒酸化式の排ガス処理装置を用いて、効率的な排ガス処理を実現しています。