ごみ焼却施設で発生する有害物質とは?排ガス処理装置の種類

日本のごみ焼却施設では、高温で効率的にごみを処理し、熱エネルギーを再利用する仕組みが進んでいます。また、有害物質を徹底的に除去する技術も発展しており、排ガス処理ではばいじんの除去や酸性ガスの中和、触媒を使った脱硝が行われ、環境負荷の軽減に役立っています。
目次
ゴミ焼却施設で重要な排ガス処理

引用元:photo AC
焼却処分は日本のごみ処理の主流であり、環境への影響を抑えながら効率的な処理を実現するためには、高度な技術と設備が不可欠です。焼却過程で発生する有害物質を適切に処理することで、安全性と環境への配慮を確保しています。
◇日本のゴミの多くは焼却処分される
日本では多くのごみが焼却処分されています。焼却施設の技術は、年々進化してきました。初期の焼却炉は小型でバッチ式でしたが、現在では効率的な連続炉や流動床炉が主流となっています。これらの設備は、焼却効率を高めるとともに、処理能力を向上させています。
現在、焼却温度は800~1,000℃が最適とされ、この温度での燃焼が効率的に行われています。また、最終処分量を減らし、焼却灰の再資源化を進めるために、溶融炉が普及しています。溶融炉では、焼却灰を高温で溶かし、再利用できる金属を回収することができます。
さらに、焼却炉で発生する熱を回収・利用するシステムも開発されており、これによりエネルギーの再利用が可能となっています。溶融飛灰からは非鉄金属が回収され、資源として再利用されることで、環境負荷を軽減することができます。
◇ゴミ焼却施設で重要な排ガス処理
ゴミ焼却施設における排ガス処理は、環境への影響を最小限に抑えるために非常に重要です。焼却設備で分解されたダイオキシン類が再合成されないようにするため、燃焼ガスは約200℃に冷却されます。この冷却された排ガスは、ボイラーを通過し、熱交換によって蒸気を発生させます。
発生した蒸気は、発電や熱供給に活用され、施設のエネルギー効率が向上します。排ガスにはダイオキシン類や微細な飛灰などの有害物質が含まれており、これらを適切に除去することが求められます。最終的に、処理された排ガスは煙突から安全に排出されるように設計されています。
このように、焼却施設では排ガスの適切な処理と有害物質の除去が重要な役割を果たしており、環境への配慮がなされています。
ごみ焼却施設で発生する排ガス

引用元:photo AC
ごみ焼却施設では、焼却過程で発生する排ガスに有害物質が含まれており、環境に影響を与える可能性があります。これらを適切に処理することが重要です。以下では、主な排ガスの種類とその処理方法について説明します。
◇ ばいじん
ごみ焼却施設で発生するばいじんは、燃焼過程で生じる微細な物質です。これにはススやチリなどが含まれ、非常に小さな粒子であるため、環境や人体に悪影響を及ぼすことがあります。
そのため、ばいじんは法律によって排出量が厳しく規制されています。焼却施設では、排ガスに含まれるばいじんを集塵装置で取り除くことが求められています。
集塵装置は、排ガスをフィルターで処理し、有害物質を効率的に除去します。これにより、環境への影響を最小限に抑えることができ、法令を遵守することが可能となります。
◇ 酸性ガス
酸性ガスは、塩化水素や硫黄酸化物などが含まれており、これらの物質は環境に有害な影響を与える可能性があります。
特に硫黄酸化物は、燃焼中に硫黄分が酸化して生成され、排出されると大気汚染を引き起こします。酸性ガスは酸性雨を引き起こす原因となり、植物や水質に悪影響を与えることがあります。
酸性ガスの除去には、乾式法と湿式法が使用されます。乾式法は乾燥した吸着剤を用い、湿式法は水を使って吸収させる方法です。どちらの方法も排ガスの浄化に非常に効果的で、施設の特性に応じて最適な方法を選択することが重要です。
◇ 窒素酸化物(NOx)
窒素酸化物(NOx)は、燃焼過程で発生する有害なガスで、高温下で酸素と窒素が反応することによって生成されます。
NOxは大気汚染を引き起こし、酸性雨や光化学スモッグを発生させる原因となります。そのため、NOxの排出量は厳しく規制されています。
ごみ焼却施設では、NOxの排出濃度を80〜200ppmに抑えることが求められています。NOx除去には、燃焼制御法や無触媒脱硝法などの技術が用いられ、これらの方法はNOxを効果的に削減するために重要な役割を果たします。
◇ ダイオキシン
ダイオキシンは、発がん性物質として非常に危険で、ごみ焼却施設から排出される有害物質の中でも特に厳しく規制されています。
ダイオキシンは焼却過程で高温によって生成されることがあり、非常に少量でも健康に深刻な影響を与える可能性があります。そのため、ダイオキシンの排出を最小限に抑えるための対策が必須です。
ダイオキシンを除去する方法として、活性炭吹込法と活性炭吸着法が一般的に使用されます。活性炭吹込法では、煙道に活性炭を吹き込んでダイオキシンを吸着させます。一方、活性炭吸着法では排ガスを通過させることで、ダイオキシンを効率的に除去します。これらの方法によって、ダイオキシンの排出を効果的に削減することができます。
ごみ焼却施設の排ガス処理の種類

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ごみ焼却施設では、排ガス処理が環境保護のために欠かせません。排ガスには有害物質が含まれており、これらを適切に処理して大気中に放出することで、健康や自然環境への影響を最小限に抑えることが求められています。
◇ 乾式排ガス処理
乾式排ガス処理は、消石灰や重曹といった粉末状のアルカリ薬剤を排ガスに吹き込むことで、塩化水素や硫黄酸化物などの酸性ガスを中和し、除去する方法です。
この方法では、アルカリ薬剤が酸性ガスと反応し、中和されることによって無害な生成物を作り出します。
その後、生成物はばいじんと共にバグフィルターなどの集じん器を使って除去され、浄化された排ガスが煙突から排出されます。
乾式排ガス処理は比較的簡単に運用できるため、広く利用されており、多くの施設で導入されています。
◇ 湿式排ガス処理
湿式排ガス処理は、排ガスを水と接触させて酸性ガスを吸収し、除去する方法です。
水は酸性ガスを吸収し、排ガス中の有害物質を効果的に取り除きますが、その過程で循環水のpHが下がるため、苛性ソーダを加えてpHを適切に保つ必要があります。
また、循環水の塩分濃度が高くなるのを防ぐため、一定量の水はブロー排水として排出され、処理されます。この排水は「洗煙排水」と呼ばれ、適切に処理されています。
湿式法は高い除去効果が期待できる一方で、設備の維持管理が重要となります。
◇ 触媒脱硝
触媒脱硝は、排ガス中の窒素酸化物(NOx)を触媒を使って窒素と水に還元する方法です。
この方法では、還元薬剤としてアンモニアが使用され、排ガスが触媒層を通過する際に、NOxが還元反応を起こして無害な窒素と水蒸気に変わります。
触媒脱硝は高いNOx除去効率を誇り、環境への影響を大幅に減少させます。そのため、特に厳しい排出基準が求められる施設で使用されることが多いです。
◇ 白煙防止
白煙防止は、煙突から排出された排ガスが大気中で拡散する際に、排ガス中の水蒸気が凝縮して白煙として見えるのを防ぐ対策です。
排ガスを加熱して温度を上げることで水蒸気の凝縮を防ぐ方法や、温風を混ぜることで排ガスの相対湿度を下げる方法が用いられます。
これにより、排出時に白煙が発生するのを抑え、視界を確保しつつ、環境への影響を最小限に抑えることが可能です。
排ガス処理装置のおすすめメーカー
ごみ焼却施設の排ガス処理設備は、環境への負荷を最小限に抑えるために欠かせません。さまざまなメーカーが提供する技術やシステムにより、排ガス中の有害物質を効率的に処理し、大気への影響を抑えることが求められています。
◇サンレー冷熱株式会社

サンレー冷熱株式会社は、創業80年の歴史を持つ燃焼技術の専門企業で、環境装置の分野でも高い実績を誇ります。さまざまな排ガス処理や悪臭対策に対応した装置を提案しており、特に触媒燃焼式や電気触媒式、プラズマ方式などを活用した高効率・省エネルギーシステムを展開してきました。
会社名 | サンレー冷熱株式会社 |
所在地 | 〒573-1132 大阪府枚方市招提田近3-25 |
電話番号 | 072-856-3221 |
公式ホームページ | https://www.sunray-r.co.jp/ |
印刷工場や化学製品工場、食品工場など、さまざまな業種で使用されており、環境負荷の軽減と作業環境の改善を実現しています。
サンレー冷熱株式会社について詳しく知りたい方はこちらも併せてご覧ください。
▼サンレー冷熱は充実したメンテナンス体制とアフターサービスを提供
さらに詳しい情報は公式ホームページでも確認できます。ぜひチェックしてみてください。
◇ミウラ化学装置株式会社

引用元:ミウラ化学装置株式会社
ミウラ化学装置株式会社は、排水や排ガス処理装置の製造・販売を行う企業です。特に産業用排ガス処理装置において高い実績を持ち、製造業や化学工業など幅広い分野で活躍しています。
同社の一般排ガス処理装置には、トレイスクライバー、スキースクラバー、セミスクラバーなどの種類があり、各種設備や環境に適した最適なソリューションを提供しています。これらの装置は、高い処理効率と耐久性を備えており、長期にわたって安定した運用が可能です。
会社名 | ミウラ化学装置株式会社 |
所在地 | 〒587-0042 大阪府堺市美原区木材通2-2-1 |
電話番号 | 072-362-8020 |
公式ホームページ | https://www.miura-eco.co.jp/ |
発電用ボイラやディーゼルエンジンから排出されるSO2の除去には水酸化マグネシウムを使用し、国内外、特に中国、韓国、台湾などアジア各国に多くの実績があります。また、設計から据付工事、アフターサービスまで幅広いサポートが特徴です。
ミウラ化学装置株式会社について詳しく知りたい方はこちらも併せてご覧ください。
◇日本環境技術株式会社

引用元:日本環境技術株式会社
日本環境技術株式会社は、焼却設備の分野で高い実績を誇り、高含水物の汚泥や生ごみなどの焼却を中心に、広範なニーズに対応しています。省エネルギーを追求し、排ガス処理や発電設備を備えた施設の需要にも応えています。
会社名 | 日本環境技術株式会社 |
所在地 | 〒235-0024 神奈川県横浜市磯子区森が丘2-30-14 |
電話番号 | 045-847-3233 |
公式ホームページ | https://nipponkankyo.co.jp/ |
製品ラインには、キルンストーカー式焼却炉、ストーカ式焼却炉、ロータリキルン式焼却炉、円形撹拌式汚泥焼却炉、流動床式焼却炉があり、バイオマス発電や産業廃棄物焼却にも対応可能です。
創業以来、環境保全型のプラントを提供し、大手プラントメーカーや自治体、廃棄物処理業者などへ確実な実績を積み重ねてきた企業です。
排ガス処理装置について詳しく知りたい方はこちらも併せてご覧ください。
ごみ焼却施設では、日本のごみ処理の主流である焼却処分が行われています。焼却の過程で発生する有害物質を適切に処理することが、環境負荷の軽減にとって重要です。
現在、焼却炉には高温で効率的に燃焼を行う連続炉や流動床炉が使用されており、処理能力を向上させています。溶融炉の普及により、焼却灰を高温で溶かして金属を回収し、再資源化することも可能となっています。また、発生する熱を回収し、発電や熱供給に利用するエネルギー再利用システムが採用されています。
排ガス処理も重要な課題であり、焼却炉で分解されたダイオキシン類が再合成されないよう、燃焼ガスは200℃程度に冷却されます。さらに、排ガス中のばいじんや酸性ガス、窒素酸化物(NOx)などの有害物質を除去するための集じん装置や触媒脱硝装置が設置されています。
例えば、ばいじんはフィルターで除去され、酸性ガスは乾式法や湿式法で中和されます。また、窒素酸化物は触媒を用いて無害な窒素と水に変換されます。これらの技術により、環境負荷が軽減され、排ガスが安全に放出されます。