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排ガス処理装置コラム

スクラバーとは?湿式スクラバーと乾式スクラバーの仕組み

公開:2024.08.21 更新:2025.06.27
スクラバーとは?湿式スクラバーと乾式スクラバーの仕組み
引用元:フォトAC

スクラバーは、有害ガスや粉塵を除去するための排ガス処理装置で、湿式と乾式の2種類に分かれます。

湿式スクラバーは水や液体を使ってガス中の汚染物質を吸収し、酸性ガスや可溶性粉塵の除去に効果的ですが、廃液処理が必要です。

一方、乾式スクラバーは固体吸収剤を用いて汚染物質を捕捉し、廃液処理が不要で腐食性ガスにも対応しますが、吸収剤の交換やコストが課題です。

メンテナンスには、湿式は液体管理と防錆、乾式は吸収剤やフィルターの点検が必要です。

スクラバーとは?湿式スクラバーと乾式スクラバー

スクラバー
引用元:クボタ環境エンジニアリング株式会社

スクラバーは、工業プラントや製造施設で発生する有害なガスや粉塵を取り除くための排ガス処理装置です。大気中への有害物質の排出を防ぐうえで、欠かせない役割を担っています。

このスクラバーには、湿式タイプと乾式タイプの2種類があり、それぞれ異なる方法で汚染物質を除去します。どちらを使うかは、処理対象となるガスの種類や性質に応じて選ぶことが重要です。

◇湿式スクラバー

湿式スクラバー
引用元:貴商エンジニアリング株式会社

洗浄式スクラバー(湿式スクラバー)は、排ガスに含まれる臭気や粒子状物質を除去するための代表的な装置のひとつです。この方式では、ガスと洗浄液を気液接触させることで有害物質を効率的に吸収・除去します。

具体的には、スクラバー内部の塔に専用の充填材を詰め、塔頂から水やアルカリ水などの洗浄液を噴霧することで、上昇するガスと液体が接触し、汚染物質を洗い流す構造になっています。

洗浄効率が高いのが特長で、使用する液体の量も比較的少なくて済むため、運転コストを抑えることが可能です。また、ガスの温度や圧力が大きく変動しない環境下では、非常に安定した性能を発揮します。

特に、水に溶けやすい成分や酸性ガス、アルカリ性ガスの除去に有効で、多くの工場や廃棄物処理施設などで導入されています。ただし、洗浄式には課題もあります。不溶性の微粒子や油分を含む排ガスに対しては効果が低く、スクラバー内の充填材が目詰まりを起こしやすい点が挙げられます。

このため、定期的な点検や洗浄が必要であり、運用にはある程度のメンテナンス体制が求められます。また、処理後の洗浄水にも有害物質が含まれることがあるため、排水処理の仕組みも併せて構築しておく必要があります。

◇乾式スクラバー

乾式スクラバー
引用元:オリエンタル技研工業株式会社

乾式スクラバーは、ガス中に含まれる有害物質や汚染物質を除去するための装置で、処理の過程で液体を一切使用しないのが大きな特徴です。代わりに、活性炭やゼオライト、触媒などの固体吸収剤を用いて、汚染物質をその表面に吸着させることでガスを浄化します。

この方式は、湿式スクラバーのように洗浄液を使わないため、処理後の廃液が発生しないというメリットがあります。液体による腐食の心配もなく、腐食性の高いガスにも対応しやすいため、電子部品の製造や化学工業など、特定の産業分野で重宝されています。

ただし、使用した吸収剤は時間とともに吸着能力が低下するため、定期的な交換やメンテナンスが欠かせません。また、装置の運転コストも比較的高くなる傾向があり、長期間にわたる運用においてはコスト面の検討が必要です。

乾式スクラバーは、さらに次の4種類に分類されます。

蓄熱燃焼方式

蓄熱燃焼方式
引用元:Rihting

蓄熱燃焼とは、セラミック製の蓄熱体を装置内部に多数充填し、その蓄熱体により排気ガス中の可燃性成分を酸化・分解する方式です。

燃焼によって生じた高温の熱エネルギーを蓄熱体が一時的に吸収・蓄積し、次の処理サイクルに再利用することで、非常に高い熱回収効率を実現します。この優れた熱効率により、燃料の消費を抑えつつも、排ガスの処理性能を保つことができます。

また、燃焼温度が安定しやすく、窒素酸化物(NOx)の発生量も比較的少ないことから、環境面でのメリットもあります。さらに、使用される蓄熱体は耐久性が高く、定期的なメンテナンスを行えば半永久的に使用可能とされています。

一方で、装置全体の構造が大規模で重量もあるため、設置には広いスペースが必要です。また、初期投資としての設備導入コストは高額になる傾向があります。

触媒燃焼方式

触媒燃焼方式
引用元:株式会社ダルトン

触媒燃焼は、特殊な触媒を用いて排気ガス中の可燃性成分を空気と反応させ、酸化分解を促す方法です。触媒の作用により反応温度が大幅に低下し、一般的には300〜500℃程度でも十分な分解効果が得られます。そのため、直接燃焼に比べて燃料の消費が抑えられ、運転コストを低く抑えることが可能です。

特に、連続稼働が求められる製造ラインなどにおいて、省エネ性と運用コストのバランスを重視する場合に適した方式と言えます。

ただし、触媒は被毒性物質(硫黄化合物、リン化合物、重金属など)や高濃度の有機酸などに対して劣化しやすく、特定の成分を含む排気ガスには対応できない場合があります。したがって、触媒の寿命や適合性を考慮したガス成分の分析と管理が重要になります。

直接燃焼方式

直接燃焼方式
引用元:サンレー冷熱株式会社

直接燃焼方式は、650~800℃という高温の条件下で排気ガス中の有機化合物を酸化分解させる極めてシンプルかつ強力な方式です。この方法は、酸化分解可能な物質であればほとんどの臭気成分に対応できるため、排気ガスに多様な有害成分が含まれている場合でも高い処理性能を発揮します。

その一方で、燃料を高温まで加熱する必要があるため、エネルギー消費が多く、ランニングコストが高くなるのが大きなデメリットです。また、高温燃焼により窒素酸化物(NOx)の生成が多くなり、環境規制への対応も求められます。

比較的初期導入コストは抑えられることが多いものの、長期的な運用を見据えると、燃料コストや排出規制対応の観点からトータルコストの見極めが必要です。

排ガスの種類と適しているスクラバー

工場や発電所などの各種産業活動では、工程によって異なる性質の排ガスが発生します。これらの排ガスには、有機化合物、酸性ガス、粉じん、悪臭成分などさまざまな汚染物質が含まれており、それぞれに適した処理方法が求められます。

主な排ガスの種類と適しているスクラバーは次の通りです。

主な対象ガス適しているスクラバー
無機系ガスアルカリ性ガスアンモニア
トリエチルアミン
アルカリミスト
湿式スクラバー
酸性ガス塩化水素
フッ化水素
二酸化窒素
二酸化硫黄
亜硫酸ガス
湿式スクラバー
有機系ガス親水性ガスアセトン
ジエチルエーテル
酢酸
アルコール類
湿式スクラバー
疎水性ガストルエン
キシレン
ベンゼン
ヘキサン
乾式スクラバー

湿式スクラバーの仕組みとは?

工場 ガス
引用元:Photo AC

湿式スクラバーは、液体を使用してガス中の汚染物質を除去する装置で、その仕組みはシンプルながらも非常に効果的です。湿式スクラバーの操作は、ガスと液体を接触させることで汚染物質を液体に移し、最終的に液体を処理することによって完了します。

◇湿式スクラバーの仕組み

湿式スクラバーの仕組み
引用元:株式会社カルモア

湿式スクラバーは、排気中に含まれる有害ガスや粒子状物質を、洗浄液と接触させることで除去する方式です。ガスと液体を装置内で効率よく接触(気液接触)させることで、化学反応や物理的吸収を利用して汚染物質を処理します。

とくに、水に溶けやすい無機系ガスや親水性の揮発性有機化合物(VOC)に対して高い除去効果を発揮します。

湿式スクラバーは、以下のような主要部品で構成されています。

・洗浄塔(ガスと洗浄液の接触部)
・循環タンク(洗浄液をためる)
・ポンプ(洗浄液を循環させる)
・配管類(循環・供給用)
・排気ファン(ガスを流す)

運転時には、循環タンクにためた洗浄液をポンプで吸い上げ、洗浄塔内に設置されたスプレーノズルから噴霧します。そこを排ガスが通過することで、ガスと洗浄液が効率よく接触し、汚染物質が液中に吸収・中和されます。使用された洗浄液は再び循環タンクへ戻り、このプロセスを繰り返すことで継続的な排ガス処理が行われます。

排ガスの性質に応じて、使用する洗浄液も変わります。

・酸性ガス(塩化水素、硫黄酸化物など) : アルカリ性の苛性ソーダ液などで中和
・アルカリ性ガス(アンモニアなど) : 希硫酸などの酸性液で中和
・水溶性ガス →:単純な水洗浄で処理することも可能

洗浄効果を安定させるためには、循環液のpHを常に適正に保つ必要があります。そのために以下のような補助機器が導入されることもあります。・pH管理装置:循環液のpHを自動監視・制御
・薬液供給装置:pH調整のための薬液を自動投入
・ドレンパン:漏液の防止・保護対策用

◇乾式スクラバーの仕組み

乾式スクラバーの仕組み
引用元:株式会社カルモア

乾式スクラバーは、活性炭などの吸着剤を充填した層に排気ガスを通過させ、ガス中に含まれる有害成分を吸着・除去する方式です。液体を使用しないため、廃液処理が不要で、比較的シンプルな構造で運用できる点が特徴です。

とくに、水に溶けにくい性質を持つ揮発性有機化合物(疎水性VOCガス)や有機溶剤などの処理に適しており、塗装工程や化学工場などの排気処理に幅広く用いられています。

乾式スクラバーは、主に以下の構成要素で構成されています。

・吸着塔(活性炭やゼオライトなどの吸着剤を充填)
・プレフィルター部(粗い粉じんや粒子を除去)
・排気ファン(排ガスを吸引・送風)
・接続ダクト(装置間の気流を確保)

排気ガスは、まずプレフィルターを通って大きな粉じんを除去された後、吸着塔内の吸着剤層に導かれます。そこでガス中の有害成分が吸着剤の表面に吸着され、清浄化された空気が大気中に排出される仕組みです。

吸着材として一般的に使われる活性炭は、以下の2種類の構造で使用されます。・カートリッジタイプ:
メンテナンスが容易で、交換作業も比較的短時間で可能。定期的な取り換えで性能を維持しやすい。
・充填式タイプ:
活性炭を吸着塔内部の複数の小部屋に充填する方式で、処理量が多い場合に適しています。カートリッジに比べると交換作業は手間がかかることがありますが、大容量処理に向いています。

スクラバーにメンテナンスは必要?

洗浄の様子
引用元:貴商エンジニアリング株式会社

スクラバーは、排ガス処理装置として工場やプラントで広く使用されており、効率的に汚染物質を除去するためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。メンテナンスの頻度や内容は、湿式と乾式のスクラバーで異なります。

◇湿式スクラバーのメンテナンス

洗浄の様子
引用元:株式会社 ダルトンメンテナンス

湿式スクラバーを安定して稼働させるためには、定期的な洗浄液の交換と装置内部の清掃が欠かせません。使用済みの汚れた洗浄液を長期間使い続けると、洗浄性能が低下するだけでなく、水質の悪化により洗浄液内に「バイオフィルム」と呼ばれる菌類の塊が発生することがあります。

このバイオフィルムが装置内部のフィルターに付着・詰まりを引き起こすと、洗浄力の低下や循環ポンプの故障といったトラブルの原因になります。

さらに、内部の充填材にバイオフィルムがこびりつくことで、洗浄液がうまく流れず、最悪の場合には洗浄塔内の圧力バランスが崩れて排気ダクトへの逆流が発生する恐れもあります。

また、洗浄液が著しく汚れていると悪臭を放つことがあり、泡の発生によって周囲の作業環境や衛生状態に悪影響を与えるケースもあります。そのため、洗浄液の状態を定期的に点検し、必要に応じて早めの交換・清掃を行うことが、安全で効率的な運用には不可欠です。

さらに、湿式スクラバーは腐食のリスクがあるため、装置内部の点検と防錆対策が重要です。さらに、液体の噴霧ノズルやポンプの動作確認を行い、効率的な運転を維持するためのチェックが求められます。

◇乾式スクラバーのメンテナンス

洗浄の様子
引用元:アズワン株式会社

乾式スクラバーで使用される吸着剤である活性炭は、定期的な交換が必要です。活性炭はガス中の有害成分を吸着して除去する役割を担っていますが、使用を続けるうちに吸着能力が限界に達し、いわゆる「飽和状態」になります。

活性炭が飽和すると、有害なガス成分を十分に吸着できなくなり、そのまま処理されずに大気中へ放出されてしまいます。さらに条件によっては、吸着されていた有害物質が再放出され、濃縮された状態で外部に漏れ出す危険性もあります。

問題なのは、活性炭の飽和状態を外観から判断することが難しい点です。明確な変色や目に見える劣化がほとんどなく、異臭がしない限り気づかずに使い続けてしまうケースも珍しくありません。

また、長期間湿気を含んだ状態で使用された活性炭にはカビが発生することがあり、その結果として悪臭やカビの胞子が排気とともに大気中に放出されるリスクも生じます。

これらのトラブルを防ぐためには、吸収剤を交換する際に、吸着性能が低下していないかを確認することと、あらかじめ定めた使用期間や運転時間に応じて計画的に活性炭を交換し、装置全体の点検も併せて行うことが重要です。

さらに、乾式スクラバーのフィルターや触媒の状態を定期的にチェックし、必要に応じてクリーニングや交換を行うことで、装置の効果を最大限に発揮させることができます。

スクラバーの導入事例をご紹介

排ガスの成分や処理量、運用環境によって最適なスクラバーの方式や設置方法は異なります。こちらでは、実際にスクラバーを導入した事例を取り上げ、それぞれの課題に対してどのような方式が採用され、どのような効果が得られたのかをご紹介します。

◇東京農工大学の事例

スクラバー
引用元:沖電気工業株式会社

東京農工大学では、大陽日酸株式会社と共同で、LED基板などに用いるGaN(窒化ガリウム)結晶を成長させるための新しい装置(バルクGaN成長用装置)の開発を進めていました。この研究では、実験中に塩素(Cl₂)やアンモニア(NH₃)といった有害ガスが発生します。

これらのガスを安全に処理するために、「Cl₂/NH₃スクラバー(排ガス処理装置)」が導入されました。

このスクラバーは、酸性のCl₂とアルカリ性のNH₃という性質の異なる2種類の有害ガスを、1台の装置で効率よく処理できる“2塔処理”方式を採用しています。設置スペースが限られている研究施設でも使いやすいように小型化され、操作性やメンテナンス性にも配慮した設計となっています。

導入後は、1年以上トラブルなく稼働し、学生や教員からも使いやすいと好評です。また、停電時にも緊急用電源で問題なく稼働するなど、非常時の対応力も実証されています。

◇ゴム製造工場の事例

スクラバー
引用元:入江株式会社

あるゴム製造工場では簡易的なスクラバーを使っていましたが、老朽化や容量不足により異臭が漏れ、近隣が住宅地となったことで住民からクレームが発生していました。

この問題を解決するため、湿式スクラバーを新たに導入した結果、ゴム焼成時に発生するアンモニア臭を従来の2600ppmから100ppm以下、つまり約1/20以下にまで低減することに成功しました。これにより、排ガスの洗浄が効果的に行われ、近隣住民への配慮や環境対策が実現しています。

また、導入した湿式スクラバーは使い勝手が良く、メンテナンスも年1回程度の清掃で十分という利便性も評価されています。

スクラバーを生産・販売しているメーカーを紹介

スクラバーは、さまざまなメーカーが開発・製造しており、各社が独自の技術やノウハウを活かして製品を提供しています。以下では、スクラバーを取り扱う主要なメーカーを紹介し、それぞれの特徴や製品について解説します。

◇サンレー冷熱株式会社

サンレー冷熱株式会社
引用元:サンレー冷熱株式会社

サンレー冷熱株式会社は、住友電工グループの一員として、主に工場や各種プラント向けの排ガス処理や脱臭装置、熱風発生装置などを手がける専門メーカーです。

悪臭やVOC(揮発性有機化合物)の処理、作業環境の改善、近隣住民への配慮、省エネルギー化など、環境に関するさまざまな課題に対して最適な高効率・省エネルギーシステムを提案しています。

主な製品には、触媒燃焼式・直接燃焼式・濃縮式・パルスプラズマ式など多様な脱臭装置や、熱風発生装置、廃液燃焼処理装置などがあります。これらは印刷工場、電子部品工場、化学工場、食品工場、医薬品工場、塗装工場、ゴミ処理プラントなど幅広い現場で活用されています。

また、サンレー冷熱株式会社は初期計画から設計・生産・保守管理まで一貫したサポート体制を整えており、技術サービスやメンテナンスも充実。大阪・東京を拠点に全国および海外でも迅速な対応が可能で、定期点検やオーバーホール、部品供給まできめ細かく対応しています。

会社名サンレー冷熱株式会社
所在地〒573-1132
大阪府枚方市招提田近3-25
電話番号072-856-3221
公式ホームページhttps://www.sunray-r.co.jp/environment/

省エネ・高効率・安全性を追求し、環境とお客様のニーズに応える柔軟な提案力とサポート力がサンレー冷熱株式会社の大きな特長です。

サンレー冷熱株式会社について詳しく知りたい方はこちらも併せてご覧ください。

サンレー冷熱は充実したメンテナンス体制とアフターサービスを提供

さらに詳しい情報は公式ホームページでも確認できます。ぜひチェックしてみてください。

サンレー冷熱株式会社の公式ホームページはこちら

触媒燃焼式脱臭装置

触媒燃焼式脱臭装置
引用元:サンレー冷熱株式会社

サンレー冷熱株式会社が提供する「触媒燃焼式脱臭装置」は、悪臭やVOC(揮発性有機化合物)などの排ガスを触媒の力で低温熱分解し、省エネかつ高効率で脱臭を実現する装置です。主な特長は以下の通りです。

触媒を用いることで、従来より低い温度で排ガス処理が可能となり、安全性が高く、運転コストも抑えられます。高効率熱交換器を搭載しており、ランニングコストの低減や廃熱回収にも対応しています。また、小型から大型まで幅広い処理能力の装置設計が可能で、現場のニーズに合わせた最適な提案ができます。

この装置は、印刷工場、電子部品工場、化学製品工場、医療・製薬関連工場、フィルム・シール工場、塗装工場、石油化学工場、半導体工場、食品工場、各種研究所など、さまざまな業種で活用されています。

◇新東工業株式会社

新東工業株式会社
引用元:新東工業株式会社

新東工業株式会社は、世界トップクラスの鋳造設備事業や国内トップの表面処理事業を基盤に、環境事業やメカトロ事業など多角的に事業を展開し、自動車・航空機・鉄鋼・電気電子・インフラなど幅広い業界のものづくりを支えています。

環境事業の一環として、同社は高効率かつ省エネを実現する排ガス処理設備を提供しています。特に、蓄熱式排ガス燃焼装置(RTO:Regenerative Thermal Oxidizer)は、独自のハニカムセラミックスを採用し、VOC(揮発性有機化合物)や有機系悪臭を高温で効率的に分解が可能です。

これにより、燃料消費量やCO2排出量を大幅に削減し、環境負荷の低減に貢献しています。

会社名新東工業株式会社
所在地〒450-6424
愛知県名古屋市中村区名駅3-28-12
大名古屋ビル24階
電話番号052-582-9211
公式ホームページhttps://www.sinto.co.jp/

また、VOC濃縮装置や熱交換器、廃熱ボイラなどを組み合わせることで、排ガス処理の効率化と省エネ化を実現。処理ガスのリデュース、廃熱のリユース・リサイクルといった3R(リデュース・リユース・リサイクル)にも積極的に取り組んでいます。

新東工業株式会社について詳しく知りたい方はこちらも併せてご覧ください。

新東工業の排ガス浄化技術とは?ランニングコストを抑える

◇近藤工業株式会社

近藤工業株式会社
引用元:近藤工業株式会社

近藤工業株式会社は、自動車部品事業、パーキング事業、エクステリア事業、そして環境機器事業など、幅広い分野で事業展開を行っている企業です。自動車部品製造で培った高精度な加工技術を活かし、多様化する社会ニーズに応えるべく、積極的に事業領域を拡大しています。

中でも環境機器事業は、1973年から「大空にきれいな空気を返すこと」を理念に掲げ、環境保全を視野に入れた先進的な排ガス処理や脱臭技術の開発・提供を行っています。

設計から製作、販売、アフターサービスまで一貫したサポート体制を構築し、地球環境問題に正面から取り組んでいるのが大きな特長です。

主な製品には、蓄熱燃焼式排ガス処理装置や触媒酸化式脱臭装置、濃縮+燃焼式処理装置などがあり、VOC(揮発性有機化合物)や悪臭の排ガス処理に高効率かつ省エネで対応しています。

特に、Durr社からライセンスを取得した蓄熱技術を用いた装置は、95%以上の熱回収率と99%以上のVOC処理効率を誇り、メンテナンス性や省エネ性にも優れています。

会社名近藤工業株式会社
所在地〒473-0921
愛知県豊田市高丘新町天王11
電話番号044-330-9001
公式ホームページhttps://www.kogyo.kondo.co.jp/

また、食品プラントや印刷機器向けのクリーン化・効率化設備も提供し、さまざまな産業分野のニーズに対応しています。

近藤工業株式会社について詳しく知りたい方はこちらも併せてご覧ください。

近藤工業は地球環境の未来を支える環境機器の専門メーカー

まとめ

工場
引用元:Photo AC

スクラバーは、工業プラントや製造施設で発生する有害ガスや粉塵を除去するための排ガス処理装置で、湿式と乾式の2つのタイプがあります。湿式スクラバーは、水や液体を用いてガス中の汚染物質を吸収し、浄化されたガスを排出します。

この方式は、酸性ガスや可溶性の粉塵を効果的に除去でき、化学工場や発電所で広く使用されています。湿式の利点は、ガス冷却や加湿効果がある点ですが、液体の処理や腐食性ガスへの対応が課題です。

一方、乾式スクラバーは、固体吸収剤や触媒を用いてガス中の汚染物質を吸着する方式です。液体を使用しないため廃液処理が不要で、腐食性ガスにも対応可能なため、特定の産業で好まれています。しかし、吸収剤の交換や運転コストが高くなる可能性があり、定期的なメンテナンスが必要です。

これらの特徴を踏まえ、処理するガスの種類や特性に応じて、湿式または乾式のスクラバーを適切に選択することが大切です。それぞれの利点と課題を理解し、最適な排ガス処理を実現するために、定期的なメンテナンスと装置の管理が重要となります。