排ガス中の白煙の正体は?白煙除去装置の種類と仕組み

排ガス中の白煙は水蒸気の凝縮で発生し、通常は無害ですが、企業イメージや設備に影響を与えることがあります。白煙除去は微細な粒子を捕集する特殊技術が必要で、慣性衝突、さえぎり、ブラウン拡散などの方法を組み合わせて行います。
目次
排ガス中の白煙問題

引用元:photo AC
工場から排出される白煙は、環境汚染の象徴と誤解されがちですが、その正体や影響を理解することが重要です。白煙が示すものとその対策について詳しく見ていきましょう。
◇排ガス中の白煙の正体
白煙は、主に水蒸気の凝縮によって生じます。工場の排ガスは高温(約160〜170℃)で排出されますが、外気に触れることで急激に冷却され、その結果、水蒸気が微細な水滴となり、白煙として目に見えるのです。特に、冬季や湿度が高い環境では、白煙が発生しやすくなります。
また、白煙の中には微粒子や化学物質が含まれることがあります。燃焼時に発生する窒素酸化物(NOx)や硫黄酸化物(SOx)が排ガスに混ざると、これらの汚染物質が白煙に含まれることがあるため、白煙の成分を見極めることが重要です。単なる水蒸気と、有害物質を含んだ白煙ではその影響が異なります。
さらに、白煙とばい煙は異なります。白煙は水蒸気が凝縮したもので、煙突の先端付近で透明な空間が見られることが特徴です。一方、ばい煙は黒や灰色の煙が直接排出され、すすや有害物質を多く含んでいるため、環境への影響が大きいです。白煙は基本的に無害な場合が多いとされています。
◇排ガスの白煙は除去すべき?
白煙自体は有害ではない場合が多いですが、見た目の問題が大きく、周囲の環境や企業イメージに悪影響を与えることがあります。白煙が排出されると、一般の人々に「有害物質を放出しているのでは?」という誤解を招き、近隣住民からのクレームや企業のブランドイメージ低下を引き起こすことがあります。
また、一部の工場では白煙が設備に悪影響を与えることがあります。微細な水滴が金属部分に付着し、腐食の原因となる場合があるのです。特に、化学工場や食品工場などでは、白煙の発生が設備に与える影響を防ぐため、白煙を抑制することが求められます。そのため、白煙除去装置を導入する工場も多く、排ガス処理が重要な課題となっています。
白煙除去の難しさと白煙除去装置

引用元:photo AC
工場の排ガスに含まれる白煙は、除去が難しいという課題があります。白煙は微細な粒子として大気中に拡散し、従来の手法では十分に捕集することができません。そのため、白煙除去には特殊な技術が求められます。
◇白煙除去の難しさ
白煙は、高温の排ガスが外気に触れることによって発生します。水蒸気が過飽和状態になり、微細な水滴となって白煙を形成します。また、異なる気体が反応して蒸気圧の低い物質が発生することも、白煙の原因の一つです。しかし、これらの微細な粒子は、従来の捕集方法では効果的に取り除くことが難しいのです。
白煙の粒子は非常に小さく、1ミクロン以下のサイズであるため、一般的なミストエリミネーターやスクラバーでは捕集できません。さらに、微細ミストは「ブラウン拡散運動」を行い、障害物に衝突せずにすり抜けるため、通常のフィルターでは対応できません。特に、化学反応によって生成される白煙は化学的に安定しており、通常のフィルターや洗浄装置では除去が困難です。
◇白煙除去装置とは
白煙除去装置は、微細ミストを取り除くために設計された特殊な装置です。主な除去手法として、「慣性衝突」「さえぎり」「ブラウン拡散」の3つの方式があります。それぞれの方式には特徴があり、効果的に白煙を捕集するためには、それぞれの特性に合った装置が必要です。
「慣性衝突」は、流れを急激に変化させることでミストの慣性力を利用し、障害物に衝突させて捕集します。この方法は比較的大きなミストには有効ですが、微細ミストには限界があります。次に、「さえぎり」方式は、フィルター繊維にミストが引っ掛かることで捕集しますが、目の粗いフィルターでは微細ミストには対応できません。そのため、最も効果的な方法は「ブラウン拡散」を活用することです。
ブラウン拡散方式では、ミスト粒子が特殊なグラスファイバーフィルターを通過する際に多方向に運動し、自らフィルターに接触して捕集されます。これにより、捕集されたミストは徐々に粒子径が大きくなり、ガスの流れに沿って下方へと排出されるため、非常に効果的な除去が可能となります。
白煙除去装置の主な3つの種類

引用元:photo AC
白煙除去装置には、さまざまな種類があり、それぞれ異なる特性を持っています。白煙の発生メカニズムや粒子の性質に応じて、適切な除去方法を選ぶことが、効果的な処理には不可欠です。
◇白煙除去装置の主な3つの種類
白煙除去には、「慣性衝突」「さえぎり」「ブラウン拡散」の3つの方法が用いられます。まず、「慣性衝突」方式は、流体の流れを急激に変化させることでミストの慣性力を利用し、障害物に衝突させて捕集します。この方法は比較的大きなミストに対しては効果的ですが、微細なミストには限界があります。
次に、「さえぎり」方式は、ミストがフィルターの繊維に引っかかることで捕集する仕組みです。しかし、目の粗いフィルターでは微細ミストがすり抜けるため、フィルター素材を適切に選定することが重要です。最後に、「ブラウン拡散」方式は、ミスト粒子が不規則な分子運動をする性質を活かし、特殊なグラスファイバーフィルターを通過する際にフィルターに接触して捕集されます。この方法は、微細なミストに対しても高い捕集率を実現できるため、多くの白煙除去装置で採用されています。
◇白煙除去の仕組み
白煙を効果的に除去するためには、これら3つの方法を組み合わせることが理想的です。例えば、最初に「慣性衝突」で比較的大きなミストを捕集し、次に「さえぎり」でさらに小さなミストを捕えます。そして、最後に「ブラウン拡散」を用いて微細なミストを確実に除去することで、排ガスの浄化が実現します。
この仕組みでは、フィルターの層を適切に配置し、各粒子の特性に応じた段階的な除去プロセスを設計することが重要です。特に、「ブラウン拡散」を活用する段階では、濾過流速を低く設定し、ミストが多方向に運動しながらフィルターに接触する環境を整えることで、より高い捕集効率が得られます。こうした段階的な捕集により、目視できないレベルの白煙除去が可能となります。
排ガス処理装置のおすすめメーカー
白煙除去装置を提供するメーカーは、技術力と実績を活かし、さまざまな業界での排ガス処理に貢献しています。
◇サンレー冷熱株式会社

80年以上の歴史を持つ燃焼技術の専門メーカーで、環境に配慮した高効率・省エネルギーの排ガス処理装置を提供しています。
特に、触媒燃焼式・直接燃焼式・濃縮式の脱臭装置をはじめ、パルスプラズマ脱臭装置や熱風発生装置など、幅広い製品ラインナップを誇ります。
会社名 | サンレー冷熱株式会社 |
所在地 | 〒573-1132 大阪府枚方市招提田近3-25 |
電話番号 | 072-856-3221 |
公式ホームページ | https://www.sunray-r.co.jp/ |
また、白煙除去に関しても、同社の排ガス処理装置を活用することで、VOC(揮発性有機化合物)や悪臭ガスの除去とともに、排ガスの白煙化を抑制できます。
さらに、中国・韓国・台湾にもアフターサービス拠点を設置し、国内外の企業をサポートする体制が整っていることも大きな強みです。
サンレー冷熱株式会社について詳しく知りたい方はこちらも併せてご覧ください。
▼サンレー冷熱は充実したメンテナンス体制とアフターサービスを提供
さらに詳しい情報は公式ホームページでも確認できます。ぜひチェックしてみてください。
◇株式会社協立製作所

引用元:株式会社協立製作所
研究実験設備の設計・施工を手掛ける企業で、特に白煙除去装置の開発において高い評価を得ています。
同社の白煙除去装置は、従来の手法では捕集が難しい微細ミストを「ブラウン拡散運動」を利用して確実に捕集するのが特長です。
この装置は、特殊グラスファイバーフィルターを用いた濾過方式を採用し、1ミクロン以下の微細ミストを高効率で除去します。
会社名 | 株式会社協立製作所 |
所在地 | 〒101-0065 東京都千代田区神田三崎町3丁目3−12 少年画報ビル階 |
電話番号 | 03-6272-4795 |
公式ホームページ | https://www.kyoritsu-yes.co.jp/ |
さらに、スクラバーや排ガス洗浄装置と組み合わせることで、より効果的な白煙除去が可能となり、環境対策を必要とする工場や研究施設に最適なソリューションを提供しています。
株式会社協立製作所について詳しく知りたい方はこちらも併せてご覧ください。
▼株式会社協立製作所はプランニングからメンテナンスまで一貫対応
◇日本フィルトレーショングループ株式会社

工業用フィルターの開発と製造を行う国内有数のメーカーであり、空気浄化や液体ろ過の分野で豊富な実績を持っています。
同社の製品は、食品加工・医薬品製造・半導体産業などの高度なクリーン環境を必要とする業界で広く活用されています。
白煙除去の分野では、高性能なフィルター技術を応用し、排ガス処理装置と組み合わせることで、排気中の微粒子やミストを効果的に捕集することが可能です。
会社名 | 日本フィルトレーショングループ株式会社 |
所在地 | 〒160-0022 東京都新宿区新宿1丁目23-6 グローイン新宿御苑204 |
電話番号 | 03-5341-4484 |
公式ホームページ | https://www.filtrationgroup.jp/ |
特に、エアフィルターやガス吸着技術を活用した装置は、排ガス中の白煙の原因となる微細粒子の除去に優れた性能を発揮し、持続可能な環境対策を実現します。
排ガス処理装置について詳しく知りたい方はこちらも併せてご覧ください。
排ガス中の白煙は環境汚染の象徴と誤解されがちですが、その正体は主に水蒸気の凝縮によって発生するものです。工場の排ガスは高温で排出され、外気と接触することで急激に冷却され、水蒸気が微細な水滴となり白煙が見えます。白煙自体は無害であることが多いものの、環境や企業イメージに悪影響を与えることがあります。特に、化学工場や食品工場では設備に悪影響を及ぼすこともあります。
白煙の除去は難しく、微細な粒子が大気中に拡散し、従来の手法では捕集できません。そのため、白煙除去には特殊な技術が必要で、主に「慣性衝突」「さえぎり」「ブラウン拡散」の3つの方法を組み合わせて行います。ブラウン拡散方式では、特殊なフィルターを通過する際にミスト粒子が多方向に運動し、フィルターに接触して捕集されます。
白煙除去装置は、各方式の特性に応じて設計されており、効果的な排ガス処理が求められます。これにより、目視できないレベルの白煙も除去可能となります。