アンモニアを除外する排ガス処理装置の特徴

アンモニアは強い刺激臭と毒性を持つ危険なガスであり、適切な除害処理が求められます。排ガス処理装置には、燃焼除害式や触媒分解式などの技術が採用されており、それぞれ高濃度アンモニアへの対応や省エネルギー性などの特徴を備えています。
目次
アンモニアの性質と対応する排ガス処理装置の特徴

アンモニアは独特の刺激臭を持つことで知られていますが、それだけでなく、毒性を持つ危険なガスでもあります。ここでは、アンモニアの性質や特徴、さらにはその危険性について詳しく解説していきます。
◇アンモニアの性質
アンモニアは、窒素と水素からなる無色透明の気体で、特有の強い刺激臭を持ちます。常温常圧で気体として存在し、化学的に反応性が高い物質です。その毒性から劇物に指定されており、吸引や皮膚接触により人体に深刻な影響を与える可能性があります。
また、可燃性があり、空気中での濃度が16〜27%になると爆発の危険性があります。通常、アンモニアは高圧ボンベ内で液体として保管され、必要に応じてガス化して使用されます。
液化は20℃で約0.8MPaという比較的低い圧力で可能ですが、配管内で再液化するとシステム不具合を引き起こすため、適切な温度管理が必要です。このように、アンモニアは取り扱いに高度な知識と安全対策が求められる危険な物質です。
◇アンモニアを除外する排ガス処理装置の特徴
高濃度のアンモニアは、不快な臭いだけでなく、人体に悪影響を与えることが確認されています。そのため、製造装置などから排出されるアンモニアは、作業環境を守り、作業員の安全を確保するために適切に除去・除害する必要があります。
アンモニアを効果的に処理するためには、通常の排ガス処理装置では対応できない場合もあり、高濃度のアンモニアガスを安全基準まで低減させるには、より大規模な装置が求められます。また、定期的に中和処理を行うなどの事前処理も重要です。
アンモニアガスの除害方法には、以下の4つが代表的です。
・ガス分解式
・スクラバー式
・燃焼除害式
・触媒分解式
それぞれの除害方法の詳細については、後ほど詳しく解説します。
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◇ガス分解式
ガス分解式は、燃料電池の原理を活用し、酸化分解反応でアンモニアを除害します。毒性ガスを含む排ガスを、ガス分解素子やアンモニア分解素子を使って電気的・化学的に分解します。高濃度のアンモニアにも対応でき、消費電力が少なく、設備コストが比較的安価です。さらに、二酸化炭素を発生させないため、発電効果を得られることも利点です。
◇スクラバー式
スクラバー式は、アンモニアが水や特定の薬液に溶けやすい特性を利用し、洗浄液を使って排ガス中のアンモニアを除害します。洗浄液として水や硫酸が使用され、設備の導入コストが安価な点が特徴です。
しかし、高濃度のガス処理には不向きで、設備のサイズが大規模になる傾向があります。また、処理後の排水処理が必要となる点にも留意する必要があります。
◇燃焼除害式
燃焼除害式は、アンモニアを含む排ガスをバーナーで燃やし、高温で分解するシステムです。高濃度のアンモニアにも対応でき、設備コストは比較的安価です。しかし、ガス分解式に比べると、消費電力や燃料コスト、設備サイズが大きくなる傾向があります。また、燃焼により二酸化炭素やNOxなどの排出ガスが発生する点も考慮しなければなりません。
◇触媒分解式
触媒分解式は、アンモニアの還元・分解を促進する物質を利用し、常温でアンモニアを除害します。燃焼を伴わないため、二酸化炭素は発生しませんが、処理温度によってはNOxが発生するリスクがあります。
効率的にアンモニアを除害できますが、設備規模や導入コスト、ランニングコストが増大する可能性がある点がデメリットです。
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画像出典:日本化学機械製造株式会社
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◇アンモニア燃焼除害装置(サンレー冷熱株式会社)
サンレーアンモニア燃焼除害装置は、半導体製造装置や研究施設などから排出されるアンモニアを含む排ガスを効率的に処理する装置です。この装置は、開発メーカーが長年培った燃焼技術を基に、低NOx燃焼を実現しており、環境への配慮がなされています。
燃焼炉は高温で十分な滞留時間を確保し、アンモニアを酸化および還元分解します。さらに、小容量から大容量のアンモニアまで対応可能で、受注生産により顧客のニーズに合わせた処理装置が提供されます。
部材が簡素化されているため、装置自体は低価格で、直接燃焼処理方式を採用しているため、余分な設備を導入する必要がなく、乾式処理を行います。また、自動コントロール機能により、装置の維持管理が簡単になり、運転にかかる人件費も削減できます。装置は省スペース設計で、室内・室外問わず設置可能です。
主な用途としては、半導体デバイス研究や製造施設、アンモニアを含むガスを排出する施設での排ガス処理に利用されています。
◇アンモニア処理システム(日本化学機械製造株式会社)
アンモニア処理システムは、優れたストリッピング技術と触媒脱臭技術を融合し、効率的で多様なシステム構築を可能にしています。このシステムは低濃度から高濃度のアンモニアガスや排水に対応し、さまざまな産業で利用可能です。
全自動運転による無人化が実現し、作業負担の軽減と人件費削減に貢献します。また、アンモニア回収や脱臭装置を活用して排ガスを無害化し、環境への影響を最小限に抑えます。さらに、省スペース設計により柔軟な設置が可能で、限られたスペースでも効率的な運用が実現します。
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◇サンレー冷熱株式会社

サンレー冷熱株式会社は、1947年に創業し、70年以上の歴史を誇る老舗メーカーです。長年培ってきた技術と経験を活かし、環境保護や産業効率化に貢献する多彩な製品を提供しています。同社の主力製品には、バーナー燃焼装置、廃液・排ガス処理装置、脱臭装置などがあり、これらはさまざまな業界の環境対策に広く活用されています。
会社名 | サンレー冷熱株式会社 |
所在地 | 〒573-1132 大阪府枚方市招提田近3-25 |
電話番号 | 072-856-3221 |
公式ホームページ | https://www.sunray-r.co.jp/ |
さらに、環境装置の開発にとどまらず、製造現場での省人化や無人化を支援する自動組立装置などの産業設備も手がけています。
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さらに詳しい情報は公式ホームページでも確認できます。ぜひチェックしてみてください。
◇TESSHA株式会社

TESSHA株式会社は、1946年に創業された企業で、初めて鉄道車輌の製造を手がけたことからスタートしました。創業以来、同社は技術革新と品質向上を追求し、鉄道業界において高い評価を得る企業となりました。その後、環境問題への関心の高まりを受け、大気汚染対策の分野へ事業を拡大しました。
会社名 | TESSHA株式会社 |
所在地 | 〒190-1221 東京都西多摩郡瑞穂町箱根ヶ崎1322-1 |
電話番号 | 042-557-8305 |
公式ホームページ | https://www.tessha.com/ |
自動車排気ガス対策用触媒マフラーの開発を契機に、同社は環境保全製品の開発に注力し、工場排気ガスの触媒式脱臭装置など、産業界における排ガス処理技術を進化させています。
TESSHA株式会社について詳しく知りたい方はこちらも併せてご覧ください。
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◇株式会社三貴製作所

引用元:株式会社三貴製作所
株式会社三貴製作所は、1968年に創業され、環境改善機器の分野で長年の経験と実績を誇る開発メーカーです。これまでに培った技術とノウハウを駆使して、小型スクラバーやスクラバーをはじめとする高性能な環境保全機器を多くの企業に提供しており、その品質の高さから多くの顧客に信頼されています。
会社名 | 株式会社三貴製作所 |
所在地 | 〒177-0035 東京都練馬区南田中5-9-13 |
電話番号 | 080-6040-2770 |
公式ホームページ | https://www.sanki-s-s.jp/ |
同社は、環境への配慮を重視した製品開発を行い、特に産業界で発生する排ガスや有害物質の除去に貢献しています。
株式会社三貴製作所について詳しく知りたい方はこちらも併せてご覧ください。
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アンモニアは無色透明で刺激臭を持つ有毒な気体で、人体や環境に深刻な影響を与える可能性があります。そのため、排ガス処理装置による適切な除害が必要です。代表的な処理方法には、燃料電池原理を活用したガス分解式、水や薬液を用いるスクラバー式、高温燃焼による燃焼除害式、触媒を使った触媒分解式があります。
それぞれの方法は、処理効率やコスト面で異なる特徴を持ちます。例えば、サンレー冷熱株式会社の燃焼除害装置は低NOx燃焼技術を採用し、省スペース設計で効率的な処理が可能です。
また、日本化学機械製造株式会社のアンモニア処理システムは、全自動運転や省スペース設計により高い柔軟性を提供します。これらの技術は、産業界における環境保全と作業員の安全確保に貢献しています。