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排ガス処理装置コラム

温室効果ガス(GHG)とは?無害化技術について解説

公開:2024.12.18 更新:2024.12.13
温室効果ガス(GHG)とは?無害化技術について解説
引用元:フォトAC

温室効果ガス(GHG)は地球温暖化の原因で、約8割を占める二酸化炭素(CO2)は化石燃料の燃焼や農業活動から排出されます。再生可能エネルギー導入や電気自動車普及、カーボンリサイクル技術が対策の鍵となっています。

温室効果ガス(GHG)とは?

温室効果ガス(GHG)は、地球の熱を閉じ込めて気温を上昇させる性質を持つガスの総称です。

代表的なGHGには、二酸化炭素(CO2)、メタン(CH4)、一酸化二窒素(N2O)、フロン類(HFCs、PFCs、SF6)などがあり、工場の排気や自動車の排出ガス、農業活動など、人間の経済活動から多く排出されます。

GHGが増加すると、地球温暖化が進み、異常気象や海面上昇などの深刻な環境問題を引き起こすため、排ガス処理装置の活用などを通じて国際的に削減に向けての努力が求められています。

◇温室効果ガス(GHG)の中でもCO2の排出削減が急務

GHGの中でも、最も削減が急務とされるのが二酸化炭素(CO2)です。CO2はGHG全体の約8割を占めており、特に化石燃料の燃焼により大量に排出されます。
CO2の排出量が多いのは、他のGHGに比べて日常の活動と深く関わっているためで、排出量の削減が温暖化対策の中心的な課題となっています。

CO2削減のため、各国では再生可能エネルギーの活用、エネルギーの効率化、化石燃料の代替などの対策が進められています。
企業においても、製造工程の省エネ化や、サプライチェーン全体での排出量削減が重要視され、ESG(環境・社会・ガバナンス)評価の向上に直結する課題とされています。

世界的な動きとしては、カーボンプライシングの導入が進んでおり、CO2排出量を削減する企業はインセンティブを受けられる一方、排出量の多い企業にはコストがかかる仕組みが導入されています。

今後は、再生可能エネルギーのさらなる導入、カーボンキャプチャー・ストレージ(CCS)技術の活用、ゼロエミッション車(ZEV)の普及が、CO2削減において重要な役割を果たすと考えられています。

温室効果ガス(GHG)の排出量

温室効果ガスは、地球温暖化の主要な要因とされ、各国で削減が求められています。

◇世界の温室効果ガスの排出量

2021年の世界の温室効果ガス排出量は、二酸化炭素換算で約490億トンとされています。このうち約74パーセントが二酸化炭素で、主な排出源はエネルギー部門です。火力発電所や工場、石油精製所がその代表例です。
その他の産業プロセスや農業分野でも、メタンや一酸化二窒素が排出されます。

国別では、中国が世界の約30パーセントを占めて最大の排出国となっており、次いでアメリカが約14パーセント、インドが約7パーセントの割合を占めます。中国は製造業の増加や石炭火力発電の利用が排出量増加の要因です。

アメリカはエネルギー消費の多い産業構造が影響しています。一方、欧州諸国では、再生可能エネルギーの導入が進んでおり、排出量の削減が進んでいる国もあります。

出典元:グローバルノート

◇日本の温室効果ガスの排出量

日本の温室効果ガス排出量は、2020年度時点の二酸化炭素換算で10億1700万トンとされ、世界全体の約2パーセントを占めています。

主な排出源はエネルギー部門で、発電所や工場、運輸分野の車両や航空機が含まれ、全体の約87パーセントを占めています。特に火力発電所が大きな割合を占めており、再生可能エネルギーの導入が課題です。

産業プロセス部門では、セメントや鉄鋼、化学製品の生産に伴う排出が見られます。
農業部門では、家畜のげっぷから発生するメタンや、農地からの一酸化二窒素の排出が課題です。

日本政府は2050年までにカーボンニュートラルを目指しており、再生可能エネルギーの導入やゼロエミッション車の普及が求められています。

出典元:環境省

温室効果ガス(GHG)の削減目標

温室効果ガスの削減は、地球温暖化を抑制するために世界中で取り組まれている重要な課題です。気候変動を防ぐため、各国は目標を設定し、温室効果ガスの排出削減に取り組んでいます。

◇世界の温室効果ガスの削減目標

世界では、2015年に採択されたパリ協定に基づき、地球の平均気温の上昇を産業革命以前と比べて1.5度以内に抑える目標が掲げられています。目標を達成するために、各国は温室効果ガスの排出削減目標を設定しています。

先進国と発展途上国の双方が削減に取り組むことが求められており、各国の削減目標は自主的に提出される「国別削減目標」が設定されました。

欧州連合は、2030年までに1990年比で少なくとも55パーセントの削減を目指しています。
アメリカは、2030年までに2005年比で50から52パーセントの削減を目指すことを宣言しています。

中国は、2060年までのカーボンニュートラル達成を目標とし、二酸化炭素の排出量を2030年までにピークアウトさせるとしています。

◇日本の温室効果ガスの削減目標

日本は、2050年までにカーボンニュートラルを達成することを目標に掲げています。
カーボンニュートラルの達成とは、温室効果ガスの排出を実質的にゼロにすることを意味しています。
また、2030年までの中期目標として、2013年比で46パーセントの削減を達成することも公表されました。

削減目標は、国際的な要請を踏まえて設定されたもので、再生可能エネルギーの導入やエネルギー効率の向上がその実現に向けた重要な手段とされています。

具体的な施策として、火力発電所からの二酸化炭素排出の削減、再生可能エネルギーの比率の引き上げ、電気自動車や水素燃料電池車の普及促進が行われています。日本の削減目標は、国際的な目標と連動しており、世界的なカーボンニュートラル達成に向けた重要な一翼を担っています。

温室効果ガスの削減は、エネルギー政策の転換や技術革新を伴う大きな変革が求められるため、今後も一層の取り組みが進められる見込みです。

温室効果ガス(GHG)の回収・資源転換・無害化技術の開発

画像出典:フォトAC

温室効果ガスは、地球温暖化を引き起こす要因とされ、各国で削減の取り組みが進められています。
近年では、排出された温室効果ガスを回収し、資源として活用したり、無害化したりする技術の開発が急がれています。

◇カーボンリサイクル

カーボンリサイクルは、二酸化炭素を回収して資源として再利用する技術です。
通常、工場の排ガスや火力発電所の排出ガスに含まれる二酸化炭素を回収し、化学反応を用いて新たな資源に転換します。新たな資源に転換することで排出された二酸化炭素を無駄にせず、産業資源として再利用できる仕組みが構築されます。

具体的な活用例としては、回収した二酸化炭素を使った合成燃料の製造や、プラスチックや化学製品の原料への転換が挙げられます。合成燃料は、二酸化炭素と水素を化学反応させることで製造され、ガソリンやディーゼルの代替燃料として活用されます。

また、プラスチックや化学製品の原料に二酸化炭素を活用する技術も開発が進んでいます。化学製品の原料に二酸化炭素を活用することで、石油資源の使用を削減し、サステナブルな資源循環が実現できます。

日本でも、経済産業省がカーボンリサイクル技術の普及を目指して、技術開発や実証実験を支援しています。

◇人工光合成

人工光合成は、植物の光合成の仕組みを人工的に再現し、二酸化炭素と水から有用な物質を作り出す技術です。植物は光エネルギーを利用して二酸化炭素と水からブドウ糖を作りますが、人工光合成では光合成を工業的に行い、燃料や化学物質を生産します。

人工光合成大きな特徴は、太陽光エネルギーを活用して二酸化炭素を化学変換できる点です。通常、化学反応には多くのエネルギーが必要ですが、人工光合成では太陽光を活用するため、再生可能エネルギーを効率的に利用することが可能です。

人工光合成によって得られる主な生成物には、メタノールやエタノールといった燃料、化学品の原料としての炭化水素化合物が含まれます。人工光合成は、排出された二酸化炭素を再利用するだけでなく、再生可能エネルギーの有効活用にもつながります。
地球温暖化対策とエネルギー問題の両面で、今後の普及が期待される技術の一つです。


温室効果ガス(GHG)は、地球の熱を閉じ込めて気温を上昇させるガスで、二酸化炭素(CO2)が全体の約8割を占めます。主に化石燃料の燃焼や工場の排気、農業活動から排出され、地球温暖化を引き起こします。

各国はパリ協定に基づき削減目標を掲げ、日本も2050年までのカーボンニュートラルを目指しています。再生可能エネルギーの導入やエネルギー効率化、電気自動車の普及などが重要で、カーボンリサイクルや人工光合成といった技術革新も進行中です。