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排ガス処理装置コラム

局所排気装置と排ガス処理装置の違いは?必要性と設置の際に必要な届出

公開:2024.11.26 更新:2024.11.26
局所排気装置と排ガス処理装置の違いは?必要性と設置の際に必要な届出

局所排気装置は、有害物質を吸引し、清浄化して排出する設備で、作業者の健康を守るために重要です。設置には法律で規定された届出が必要で、年1回の定期点検が義務付けられています。点検を怠ると法令違反となり、健康や安全にリスクをもたらすため、適切な管理が求められます。

局所排気装置とは?排ガス処理装置との違い

局所排気装置は、有害物質を含む空気を吸い込み、清浄化後に排出する設備で、工場や実験室などで使用されています。規則に基づき設置が義務付けられ、特定の性能基準を満たさなければならないため、非常に重要な役割を果たします。

◇局所排気装置とは  

局所排気装置は、フードを通じて粉じんやガス、有機溶剤などの有害物質を吸引し、それらを空気清浄装置で処理した後、外部に排出する装置です。これにより作業環境が清潔に保たれ、作業者の健康が守られます。

この装置は、特定化学物質障害予防規則や有機溶剤中毒予防規則、労働安全衛生規則に従って設置が義務付けられています。工場や作業場、研究所など、多くの場所で活用されています。フードの形状によって、性能基準も異なり、これを満たさないと局所排気装置として認められません。

◇排ガス処理装置との違い  

排ガス処理装置は、ガスを無害化するために水洗や薬液処理、吸着などを行い、処理したガスを排出します。この装置は主にガスに特化しており、粉じんや有機溶剤には対応しません。

対照的に、局所排気装置は、粉じんや有機溶剤を含む空気を取り扱うため、より広範な有害物質に対応しています。局所排気装置には、排ガス処理装置が空気清浄装置として組み込まれている場合もあり、排ガス処理装置が局所排気装置の一部として機能することもあります。

局所排気装置が工場などで必要となる理由は?

引用元:photo AC

局所排気装置は、作業者の健康を守り、目に見えない有害物質を吸引して取り除きます。過去には不十分な排気で健康被害が発生した事例もあります。また、有害物質を早期に処理することで、火災や爆発などの重大な事故を防ぐ役割も果たします。

◇作業者の健康を守る

作業者の健康を守るために、局所排気装置は非常に重要です。有害物質の中には、目に見えないほど細かいものや、常温で蒸発してしまうものもあり、そのままだと気づかないうちに健康に悪影響を与えることがあります。

過去には、排気が不十分だったために印刷会社で多くの従業員が胆管がんを発症し、数十人が命を落とす事故も起きました。局所排気装置を正しく使えば、有害物質が広がる前に吸い込んで取り除いてくれます。また、装置内で有害物質を処理するため、外に排出されても周囲に影響を与えることはありません。

◇重大な事故を防ぐ

局所排気装置は、重大な事故を防ぐ役割も果たします。有害物質には、目に見えない細かい可燃性のものや、特定の条件下で固まって危険を引き起こすものもあります。これらが適切に排出されないと、濃度が高くなり、機器の故障や火災、爆発の原因になることがあります。

局所排気装置は、有害物質が広がる前に吸引して取り除き、こうした重大な事故を未然に防ぎます。

局所排気装置の仕組みと種類

局所排気装置は、有害物質を効率的に除去するためのシステムで、フードで有害物質を吸引し、空気清浄装置で取り除き、最終的に外部へ排出します。この仕組みには、ダクトやファンが重要な役割を果たしています。

◇局所排気装置の仕組み  

局所排気装置は、有害物質を吸引するフードと、それを清浄する空気清浄装置で構成されています。空気清浄装置には、ダクトとファンが関連し、効率的な空気の移動を支えています。

・フード  

フードは、発生源から有害物質を含む空気を吸引するため、気流を局所的に作り出します。フードの形状には、囲い式、外付け式、レシーバー式などがあります。これにより、発生源近くやその周辺から有害物質を素早く吸い取ることができます。

・空気清浄装置  

空気清浄装置は、吸引した空気から有害物質を取り除く役割を果たします。主に除塵装置と排ガス処理装置で構成され、粉塵やガスを効率的に処理します。除塵装置は、重力やフィルターを使用し、排ガス処理装置は水洗や薬液処理で無害化します。

・ダクト  

ダクトは、フードから空気清浄装置、または排出場所へ空気を運ぶための通路です。吸引ダクトと排出ダクトの2種類があり、ダクトはできるだけ短く、曲がりが少ない設計が望まれます。また、掃除口が設置されていることも重要です。

・ファン  

ファンは、局所排気装置内で空気を動かす動力源です。遠心式ファンと軸流式ファンの2種類があり、遠心式ファンが一般的に使用されています。これにより、空気が一方向に効率よく排出されます。

◇局所排気装置の種類  

局所排気装置は、フードの形状に基づいて囲い式、外付け式、レシーバー式の3種類に分類されます。各タイプには独自の特徴と効果があり、使用する状況に応じて選ばれます。

・囲い式  

囲い式は、発生源を囲み、開口部に向かって気流を作り出し、有害物質を吸引するタイプです。囲いがあることで、吸引力が低くても高い効果を発揮します。さらに、カバー型やグローブボックス型など、さまざまな種類に分かれています。

・外付け式  

外付け式は、発生源近くで気流を発生させて有害物質を吸引します。囲い式に比べて吸引力は高く、吸引効果は低めですが、大きな吸引力が必要です。形状や吸引位置によって、側方吸引型や下方吸引型などに分けられます。

・レシーバー式  

レシーバー式は、元々の気流を利用して有害物質を吸引します。上昇気流や回転気流に乗った有害物質を効率的に吸引することができます。空気より軽い有害物質に優れており、必要に応じて他のフードとの併用が求められることもあります。

局所排気装置に関する決まり

◇届出の提出

法律で定められた有機溶剤(第1、2、3種)や特定化学物質(第1、2類)を使用する場合、局所排気装置を設置、移転、または主要な構造部分を変更する際に届出が必要です。工事開始の30日前までに、労働基準監督署に以下の書類を提出する必要があります。

まず、様式第20号(建設物、機械等設置・移転・変更届)と様式第25号(局所排気装置適用書)を提出します。さらに、局所排気装置の概要図、ダクト系統図、圧力損失計算書、排気ファンの図面や性能曲線図も必要です。作業場所の平面図には、装置が設置されるおおよその位置を示す屋内のレイアウトを記入し、所在地の案内図には周辺状況が分かる地図やフロアの平面図を添付します。

これらの書類を提出することで、適切な届出手続きを完了させることができます。

◇定期点検の実施

労働基準監督署に届出を行った局所排気装置は、その後、年に1回の定期点検が必要です。点検内容には、フードの構造が適切であるかどうかの確認や、フード、ダクト、安全カバーの塗装・コーティングに損傷や摩耗、腐食、くぼみがないかをチェックします。また、フィルターやダンパ、点検口、軸受けの動作が正常かどうか、フード、ダクト、ファンに塵埃が溜まっていないかも確認します。

さらに、ダクトに空気漏れや変形がないか、ボルトやナットの緩みがないかも点検します。ファンの注油状態や、ファンと電動機の回転方向、ベルトの動作が適切か、異音がないかも調べます。また、電動機の絶縁性が十分であることや、制御盤の表示や動作が正常であるかも確認します。

最後に、吸気能力と排気能力が基準を満たしているかをチェックします。定期点検を怠ると法令違反となり、作業者の健康や安全に重大なリスクをもたらす可能性があります。清掃は危険を避けながら行い、適切な道具で点検を実施することが重要です。


局所排気装置は、有害物質を含む空気を吸い込み、清浄化後に外部に排出する設備で、主に工場や研究所で使用されます。この装置は、作業者の健康を守るため、粉じんやガス、有機溶剤などの有害物質を取り除く役割を果たします。設置には法的な規制があり、特定の性能基準を満たさないと認められません。

排ガス処理装置とは異なり、局所排気装置は粉じんや有機溶剤など、広範な有害物質を対象にしています。排ガス処理装置はガスの無害化に特化しており、局所排気装置はそれに加えて粉じんや有機溶剤を処理します。両者は異なる役割を持ちながらも、局所排気装置内で排ガス処理装置が機能することもあります。

局所排気装置が重要なのは、作業者の健康を守り、有害物質を早期に処理して火災や爆発などの重大事故を防ぐためです。過去には排気が不十分だったことによる健康被害があり、正しく運用することが求められます。

この装置は、フード、空気清浄装置、ダクト、ファンといった部品から構成され、有害物質を効率的に取り除く仕組みです。フードは有害物質を吸引し、空気清浄装置でそれを処理、ダクトとファンが空気を移動させます。フードの形状によって、囲い式、外付け式、レシーバー式などの種類に分けられ、各タイプには特有の吸引効果があります。

局所排気装置の設置には、届出が必要で、工事開始の30日前までに労働基準監督署に必要書類を提出しなければなりません。また、設置後は年1回の定期点検を行い、フードやダクト、ファンの状態を確認することが法的に求められます。点検を怠ると法令違反となり、健康や安全に深刻なリスクをもたらすため、慎重な管理が求められます。

局所排気装置は作業環境を清潔に保ち、作業者を有害物質から守るための重要な設備であり、正しく運用されることで、作業者の健康と安全を確保することができます。