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排ガス処理装置コラム

食品工場の脱臭装置はどう選ぶ?方式別の特徴とメーカー3社を比較

公開:2026.10.29 更新:2026.10.29
食品工場の脱臭装置はどう選ぶ?方式別の特徴とメーカー3社を比較

食品工場の脱臭装置は、臭気の発生源・濃度・排気風量に合う方式を選ぶことが基本です。

加熱や調理、発酵、排水処理など、工程ごとに臭いの成分は異なります。

方式の選定を誤ると、投資後も苦情が収まらないおそれがあります。

本記事では、臭気の種類と原因、主な脱臭方式の特徴、費用の考え方を整理します。

あわせて、サンレー冷熱・カンケンテクノ・中外炉工業の3社を共通の視点で比較します。

自社工場に適した脱臭装置を選ぶ際の参考にしてください。

食品工場の臭気対策でお困りですか?脱臭方式やメーカーごとの特徴を比較し、自社の排気条件に合った環境装置を見つけるための情報をご確認ください。

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目次

食品工場で発生する臭気の種類と主な原因

食品工場の臭気は、工程によって成分と発生の仕方が異なります。

ここでは3つの工程に分類し、主な臭気と発生原因を解説します。

食品工場の工程別に発生する臭気成分と主な原因を整理した分類図

加熱・調理・乾燥工程で発生する臭気

加熱・調理・乾燥の工程では、原料や油が高温にさらされ、焦げ臭や油臭を含む排気が出ます。

食品残渣などの有機物を加熱する施設で、焦げ臭の原因となるアルデヒド類を測定した調査例もあります。

調理排気を対象にした東京都環境科学研究所の調査では、食用油の加熱でアセトアルデヒドが発生し、油の種類や加熱条件で排出量が変わることが示されました。

悪臭防止法では、アセトアルデヒドを含むアルデヒド類6物質が特定悪臭物質に指定されており、加熱系の臭気は規制の対象になり得る点に注意が必要です。

大量の排気が発生する工程もあり、環境省が公表する菓子製造工場の事例では、ロースト工程の排気が毎分300m³という規模でした。

出典:

東京都環境科学研究所年報2025「食用油加熱時における低級アルデヒドの排出係数算出」
環境省「特定悪臭物質の測定の方法」
環境省「悪臭対応参考事例集 ~サービス業・その他編~ No.3 食料品製造工場(菓子製造工場のチョコレート臭の脱臭)」

発酵・食品加工工程で発生する臭気

発酵や原料の加工、水産物の処理などの工程では、アンモニアやアミン類を含む臭気が出る可能性があります。

アンモニアはし尿のようなにおい、トリメチルアミンは腐った魚のようなにおいとされています。

トリメチルアミンの発生源の例には、水産かん詰製造業などが挙げられています。

イソブタノールは、刺激的な発酵臭とされる特定悪臭物質のひとつです。

食品以外の例ですが、好気性発酵を行う下水汚泥のコンポスト工場の実証試験でも、アンモニアとアミン類が高い濃度で発生していました。

これらの物質が混ざる複合臭は、特定悪臭物質の濃度規制だけでは捉えにくいため、人の嗅覚で測る臭気指数による規制も設けられています。

出典:

環境情報科学学術研究論文集22(2008年)「電解処理汚泥を用いた下水臭気除去の実証試験」
特許公開公報「JPH0810560A|粒状化黄土含有組成物を用いた生物脱臭方法」

排水処理・汚泥処理工程で発生する臭気

排水処理や汚泥処理は、食品関連工場で臭気対策が必要になる工程のひとつです。

環境省の事例では、排水量が1日約4,000m³、汚泥発生量が1日約130tの飲料工場で、周辺住民の指摘をきっかけに調査が行われ、排水処理施設が臭気源と考えられました。

硫化水素は腐った卵、メチルメルカプタンは腐った玉ねぎのようなにおいとされ、下水処理場などが発生源の例に挙げられています。

川崎市の事例では、工場地下の排水処理施設で、脱臭装置につながる配管が詰まり、臭気が外へ漏れていました。

脱臭装置を設置していても、配管の詰まりなどの設備不具合によって臭気が漏れる場合があります。そのため、装置の選定とあわせて点検体制を整えることが重要です。

排水処理・汚泥処理設備の清掃や点検では、臭気漏れの防止に加え、作業者の安全確保にも配慮する必要があります。

出典:

環境省「悪臭対応参考事例集 ~サービス業・その他編~ No.2 食料品製造工場(飲料製造工場の排水処理施設の脱臭)」
環境省「廃棄物処理施設生活環境影響調査指針 5.悪臭関連」
川崎市「悪臭苦情の事例」

食品工場で使われる脱臭装置の種類と特徴

食品工場で使われる主な脱臭方式は5つあり、臭気の濃度や排気条件によって向き不向きが分かれます。

ここでは各方式の仕組みとメリット・デメリットを順に解説します。

食品工場で使われる五つの脱臭方式と臭気成分の処理方法を示す分類図

活性炭吸着方式の仕組みとメリット・デメリット

活性炭吸着方式は、活性炭の無数の細孔に臭気成分を吸着させる仕組みで、低濃度の臭気処理や仕上げ処理に向いています。

吸着塔に活性炭を充填して排気を通す構成のため、一般に薬液や燃料を使わずに運転できる点がメリットです。

一方、高濃度の臭気では活性炭が短時間で破過(吸着能力が限界に達し、臭気成分を十分に除去できなくなること)する場合があります。

そのため、吸着能力に応じた交換や再生が必要です。

食品工場の排気に油煙や粉じんが含まれる場合は、吸着性能が下がる可能性があるため、除塵などの前処理が欠かせません。

また、アンモニアのように活性炭では吸着しにくい成分もあり、薬剤を添着した活性炭が使われることもあります。

活性炭の細孔に臭気成分を吸着させて排気を処理する流れを示す図

薬液洗浄方式の仕組みとメリット・デメリット

薬液洗浄方式は、排気を酸やアルカリ、酸化剤などの薬液と接触させ、臭気成分を吸収・中和・酸化して低減する方式です。

アンモニアやトリメチルアミンには硫酸、硫化水素やメチルメルカプタンなどの硫黄系の成分には次亜塩素酸ナトリウムが使われる例があります。

大風量の排気を処理しやすく、薬液と反応しやすい成分が主体の臭気に向いている点がメリットです。

一方、薬液の補充・管理に手間がかかるほか、使用済み薬液の排水処理も必要になるため、運用体制を含めた検討が求められます。

薬液の種類やpHの管理が不十分だと性能が安定しない可能性があるため、運転管理の担当者を決めておく必要があります。

排気と薬液を洗浄塔内で接触させ臭気を低減する仕組みを示す図

燃焼・触媒燃焼方式の仕組みとメリット・デメリット

燃焼方式は、高温で臭気成分を酸化分解する方式で、直接燃焼、蓄熱燃焼、触媒燃焼などに分かれます。

直接燃焼は約650〜800℃で燃焼させ、中〜高濃度の幅広い臭気に適用できる一方、ランニングコストが高く、処理後のガスに窒素酸化物(NOx)が含まれる場合があります。

触媒燃焼は触媒の働きで直接燃焼より低温で分解できるため、燃料の節約や窒素酸化物の低減が期待できる方式です。

蓄熱燃焼は熱交換効率が高く、排ガス量の多い工程に適しています。一方、設備が大型化しやすく、運転開始時の昇温に時間がかかる場合があります。

加熱・乾燥工程の排気にタールやダストが含まれる場合、触媒への付着などによって性能が低下するおそれがあるため、前段での除去が必要です。

直接燃焼触媒燃焼蓄熱燃焼の処理工程と特徴を比較した図

生物脱臭方式の仕組みとメリット・デメリット

生物脱臭方式は、微生物を保持した充填材に臭気を通し、微生物の働きで悪臭物質を分解する方式です。

生物分解しやすい臭気成分の処理に適しており、条件によっては運転費を抑えやすく、環境負荷の低減も期待できる点がメリットです。

適用先の例として、下水処理場やし尿処理場に加え、食品加工工場が挙げられています。

一方、微生物の活動を維持するために散水などの管理が必要となる場合があり、生物分解されにくい臭気成分の処理には適さないことがあります。

排気の温度や成分によって微生物の働きが左右される可能性があるため、自社の排気条件で安定して運転できるかを事前に確認することが重要です。

微生物を保持した充填材に排気を通し臭気成分を分解する仕組みの図

プラズマ脱臭方式の仕組みとメリット・デメリット

プラズマ脱臭方式は、放電で生じる酸化力の強い活性種(ラジカル)で臭気成分を酸化分解する方式です。

サンレー冷熱のパルスプラズマ脱臭装置は、プラズマと吸着触媒剤を組み合わせ、複合臭の脱臭に対応するとしています。

同社の公表仕様では、処理風量は毎分10〜600m³、臭気物質濃度は10ppm以下が目安で、低濃度・大風量の排気が主な対象とされています。

必要な用役は電力のみとされ、燃料や薬品を使わないため、排煙や廃液が出ない点がメリットです。

デメリットは、公表仕様が低濃度域を中心としているため、高濃度の臭気では適用の可否を個別に確認する必要がある点です。

実際の脱臭効果は臭気成分や排気条件によって異なるため、現地調査と臭気測定を踏まえた判断が必要です。

放電で生じる活性種と吸着触媒剤で臭気成分を処理する流れの図

食品工場に適した脱臭装置を選ぶ4つのポイント

脱臭装置の選定では、臭気の性状・前処理の必要性・設置条件・将来計画の4点を確認することが重要です。

方式ごとの得意・不得意を踏まえ、自社の条件に当てはめて検討してください。

臭気の把握から将来計画の確認まで脱臭装置選定の四段階を示す図

臭気成分・濃度・排気風量に適した処理方式を選ぶ

まず確認したいのは臭気成分・濃度・排気風量の3点で、処理方式の向き不向きはこれらの条件に大きく左右されます。

活性炭吸着方式は比較的低濃度の臭気処理に適し、生物脱臭方式は微生物が分解しやすい臭気成分の処理に適しています。

いずれも対応可能な濃度や風量は装置の仕様と排気条件によって異なります。

サンレー冷熱のパルスプラズマ脱臭装置は、公表仕様で処理風量が毎分10〜600m³、臭気物質濃度が10ppm以下です。

成分を分析せずに方式を決めると、吸着しにくい成分や分解されにくい成分が残り、処理しきれない可能性があります。

悪臭防止法には特定悪臭物質の濃度規制と臭気指数による規制があり、複合臭の場合は臭気指数でも確認する必要があります。

方式 向くとされる濃度・風量の目安 事前に確認したい点
活性炭吸着 低〜中濃度 破過までの期間、活性炭の交換周期
薬液洗浄 大風量の排気 薬液の管理、排水処理の体制
燃焼・触媒燃焼 直接燃焼は中〜高濃度 燃料費、触媒毒の有無
生物脱臭 生物分解しやすい臭気成分を含む排気。適用濃度・風量は個別確認。 散水、分解されにくい成分の有無
プラズマ脱臭 低濃度(10ppm以下)・大風量(公表仕様) 高濃度の場合の適用可否

※上記は一般的な目安であり、実際の適用範囲は製品や排気条件によって異なります。

油煙・水分・粉じんへの前処理が必要か確認する

食品工場の排気は、油煙・水分・粉じんを含む場合があり、前処理の要否が方式選びを左右します。

活性炭吸着では、場合によって除塵の前処理が必要とされています。

触媒燃焼では、触媒の性能を損なうタールやダストを前段で除去する必要があります。

前処理の設備が必要になると、導入費用や設置スペース、メンテナンスの手間が増えるため、本体価格だけで比較しないことが重要です。

高湿度のガスには、ミストセパレータなどの前処理が必要とされる方式もあります。

排気に含まれる油分や水分の量を現地調査で確認しておくと、見積もりの精度が上がります。

既存ダクトとの接続や設置スペースを確認する

既存ダクトへの接続と設置スペースも、導入の可否を分ける重要な条件です。

触媒燃焼は蓄熱燃焼と比べて装置を小型化しやすい場合がある一方、蓄熱燃焼は設備が大型化しやすい傾向があります。

サンレー冷熱のパルスプラズマ脱臭装置の公表寸法は、処理風量30m³/minのパッケージ型で長さ約2.65m×幅約1.72m×高さ約2.3mです。

同じく300m³/minの分割型では、長さ約8.6m×幅約2.8m×高さ約5.1mとなります。

処理風量が大きくなると装置も大型化する傾向があるため、必要な設置面積や高さを確認し、屋外の空きスペースや屋上、既存ダクトのルートを図面で把握しておく必要があります。

また、脱臭装置の追加によって圧力損失が増えると、既存の排気ファンでは必要な風量を確保できなくなる場合があります。そのため、ファンの能力や圧力条件も事前に確認してください。

将来の生産量増加や製造品目の変更を考慮する

将来の生産量増加や製造品目の変更は、臭気の量と成分の両方を変えるため、導入時に見込んでおくことが大切です。

風量が増えると処理能力が不足し、臭気の成分が変わると既存の方式が適さなくなる可能性があります。

たとえば、活性炭吸着方式では臭気濃度が高くなると破過までの時間が短くなり、吸着材の交換頻度が増える可能性があります。

増設や方式変更をしやすい構成か、能力に余裕を持たせた設計かを、メーカーに確認しておくことが有効です。

サンレー冷熱は、処理風量600m³/min以上や臭気物質濃度10ppm以上の場合も、相談を受け付けています。

品目追加の予定を事前に伝え、想定される臭気成分や排気条件を設備設計に反映してもらうと、将来の設備改修や追加投資のリスクを抑えやすくなります。

食品工場の脱臭装置にかかる導入費用と維持管理費

食品工場の脱臭装置の費用は、導入時の初期費用と、運転・保守にかかる維持管理費に分けて考えるのが基本です。

ここでは費用を左右する条件と、長期で比較する方法を整理します。

脱臭装置の初期費用と運転保守費用の主な内訳を整理した構成図

本体価格・設置工事費を左右する条件

本体価格と設置工事費は、処理風量・方式・前処理の有無・設置条件の4つで大きく変わります。

一般に処理風量が大きいほど装置は大型化する傾向があり、サンレー冷熱のパルスプラズマ脱臭装置では、毎分30m³がパッケージ型、100m³以上が分割型と構成が分かれる点が一例です。

一体型の装置は現地工事の期間を短縮できる場合がある一方、分割型や大型の設備では、基礎・配管・電気工事の範囲が広がる可能性があります。

油煙や粉じんを除去する前処理設備が必要な場合は、本体とは別に費用がかかるため、見積もりでは前処理を含む総額で比較することが大切です。

小型の触媒燃焼式脱臭装置には、メーカーが本体価格の目安を100万〜500万円と掲載している製品もありますが、風量や仕様で大きく異なるため、あくまで参考にとどめてください。

電気代・燃料費・薬剤費などのランニングコスト

ランニングコストの主な内訳は電気代・燃料費・薬剤費・水道代などで、どの費用が大きな割合を占めるかは脱臭方式によって異なります。

燃焼方式では燃料費が大きな割合を占める場合があり、特に直接燃焼式は燃料消費が多くなる傾向があります。

一方、触媒燃焼式は比較的低温で臭気成分を分解できるため、燃料費の削減が期待できます。

環境省の事例では、チョコレート製造工場のスクラバーと触媒燃焼の2系統で、電気代・ガス代・水道代の合計が年間約1,000万円でした。

薬液洗浄では薬剤費や排水処理費、燃焼では燃料費が、運転コストの大きな割合を占める可能性があるため、方式ごとに主な費目を把握して比較することが重要です。

サンレー冷熱のパルスプラズマ脱臭装置は、必要な用役が電力のみで、燃料や薬品を使わないと公表されています。

環境省の試算例では、従来の燃焼式脱臭炉を蓄熱式(リジェネ式)に更新した場合に、燃料のエネルギーコストが約63%減る想定が示されていますが、条件によって変わる点に注意が必要です。

消耗品交換・定期点検にかかる維持管理費

消耗品の交換費用や定期点検費用は方式によって異なり、交換部品の費用が中心となる場合もあれば、専門業者による保守費用が大きな割合を占める場合もあります。

環境省の飲料工場の事例では、活性炭フィルター(厚さ5cm)を2か所のダクトに設置し、1枚15,000円のフィルターを年1回交換して、年間約3万円でした。

同事例では、メンテナンスに大きな手間はかからないと報告されています。

一方、菓子製造工場の事例では、燃焼脱臭装置が年2回のメーカー保守で年間100万円、スクラバー脱臭装置が年1回の洗浄で年間73万円でした。

ただし、活性炭フィルターは汚泥処理室の換気口に設けた小規模な対策であり、燃焼脱臭装置とスクラバー脱臭装置は大風量の工程排気を処理する設備であるため、規模や目的が異なるため、金額だけで方式の優劣は判断できません。

環境省の点検項目の例では、薬液洗浄は洗浄塔の水漏れやノズル、pH計の校正など、活性炭吸着は差圧の確認や脱臭性能の分析を行うとされており、点検の担当と頻度を事前に決めておくことが重要です。

出典:

環境省「悪臭対応参考事例集 ~サービス業・その他編~ No.2 食料品製造工場(飲料製造工場の排水処理施設の脱臭)」
環境省「悪臭対応参考事例集 ~サービス業・その他編~ No.3 食料品製造工場(菓子製造工場のチョコレート臭の脱臭)」
環境省「防脱臭技術の適用に関する手引き」

初期費用と長期的な運用費用を比較する方法

初期費用と運用費用を比較する際は、初期費用を耐用年数で割った金額に、年間のランニングコストを加えて年間費用を算出する方法があります。

例として、環境省が公表する菓子製造工場の事例を整理すると、次の表のとおりです。

費目 触媒燃焼脱臭装置 スクラバー脱臭装置(オゾン発生装置を含む) 合計
初期費用 約4,000万円 約3,000万円 約7,000万円
電気代・ガス代・水道代(年間) 内訳は非公表 内訳は非公表 約1,000万円
メンテナンス費(年間) 100万円 73万円 173万円

※出典:環境省「食料品製造工場(菓子製造工場のチョコレート臭の脱臭)」。ロースト工程とミル工程で対象の排気が異なる2系統の合計です。

仮に耐用年数を10年と置くと、初期費用の年換算は約700万円、年間の運転費とメンテナンス費の合計は約1,173万円で、年間費用は約1,873万円と計算できます。

この仮定では運用費が年間費用の6割以上を占めるため、本体価格が安くても燃料費や保守費が高い方式では、長期的な負担が大きくなる可能性があります。

耐用年数や電気・ガスの単価は条件によって異なるため、見積もりを比較する際は、同じ耐用年数と運転時間の前提をそろえて試算してもらうことが重要です。

初期費用と年間運転保守費から年間費用を算出する方法を示す計算図

出典:

環境省「悪臭対応参考事例集 ~サービス業・その他編~ No.3 食料品製造工場(菓子製造工場のチョコレート臭の脱臭)」
環境省「環境会計ガイドライン2005年版」

食品工場の臭気対策ケース|課題に応じた設備の活用例

食品工場の臭気対策は、臭気の濃度・風量・排気の性状によって、選ぶべき設備が変わります。

ここでは3つの課題に分けて、対策候補となる脱臭方式と具体的な製品・技術例を紹介します。

低濃度・大風量の複合臭気を処理したいケース

工場全体の換気排気のように、臭気濃度は低くても排気風量が大きく、複数の成分が混ざる場合は、電力のみで運転できるプラズマ脱臭方式が対策候補になります。

製品例は、サンレー冷熱のパルスプラズマ脱臭装置です。

サンレー冷熱株式会社公式HPのパルスプラズマ脱臭装置の画像
引用元:サンレー冷熱株式会社公式HP

同社の公表仕様では、処理風量は毎分10〜600m³、臭気物質濃度は10ppm以下で、酸化ラジカルの働きによって複合臭気の成分を酸化分解するとされています。

食品工場は同社が示す参考使用例のひとつであり、実際の導入結果ではなく、想定用途に基づく活用例です。

公表仕様を超える風量や濃度は個別相談とされているため、まず現地調査で排気条件を測定し、適用の可否を確認することが前提です。

実際の脱臭効果は臭気成分や排気条件によって異なるため、導入前に臭気測定やメーカーによる適用性の確認を行うことが重要です。

低濃度の臭気を吸着処理したいケース

比較的低濃度の臭気を含む排気では、燃料を使わずに処理できる活性炭吸着方式が対策候補です。

カンケンテクノは、活性炭吸着装置を低濃度ガスに適した装置として紹介し、活性炭は再生して再利用でき、小型のカートリッジ式から大型まで対応できるとしています。

カンケンテクノ公式HPの活性炭吸着装置の画像
引用元:カンケンテクノ公式HP

公式サイトでは、導入実例の業種として、食品工場のほか、印刷工場、電子部品工場、下水・産廃関連工場などが挙げられています。

ただし、食品工場での処理対象や導入目的の詳細、個別の改善率は、公開ページでは確認できません。

吸着材の交換周期や、油煙を含む排気に使えるかどうかは、製品ごとに条件が異なるため、事前に確認が必要です。

同社は失敗例として、出口の基準値は満たしたのに苦情が減らなかったケースや、想定以上のガス量が流入して装置の改造が必要になったケースを挙げており、入口条件を把握したうえで選ぶことが重要です。

加熱・乾燥工程の排ガスを燃焼処理したいケース

加熱・乾燥工程の排ガスに含まれる臭気成分を酸化分解したい場合は、直接燃焼式や蓄熱燃焼式などの処理設備が候補になります。

蓄熱式は熱交換効率が高く、排ガス量の多い工程に向く一方、設備が大きく重く、立ち上げの昇温に時間がかかるとされています。

中外炉工業の公式サイトには、2026年4月1日時点の海外納入実績として、韓国・中国・台湾・ベトナム・タイ・マレーシアの6か国・地域における蓄熱式排ガス処理装置の実績が掲載されています。

中外炉工業株式会社公式HPの世界の主な納入実績の表画像
引用元:中外炉工業株式会社公式HP

同ページには触媒式排ガス処理装置の納入先も載っていますが、食品工場への導入事例とは記載されていないため、あくまで排ガス処理技術の参考情報として捉えてください。

処理対象ガスの性状、燃料消費量、熱回収の条件によって適用性が変わるため、食品工場での実績や必要な燃料条件は個別に確認する必要があります。

食品工場の脱臭装置を扱うメーカー3社を比較

食品工場での利用が想定される脱臭装置や排ガス処理設備を扱う3社について、対応方式・適用条件・公開実績などの共通項目で比較します。

自社の排気条件に近い会社を見つける参考にしてください。

サンレー冷熱|低濃度・大風量の複合臭気に対応するプラズマ脱臭装置

サンレー冷熱株式会社公式HP画像
引用元:サンレー冷熱株式会社公式HP
会社名サンレー冷熱株式会社
住所〒573-1132
大阪府枚方市招提田近3-25
電話番号072-856-3221
公式サイトURLhttps://www.sunray-r.co.jp/environment/

サンレー冷熱は、1947年設立の住友電工グループの企業で、バーナーや環境装置、産業設備を手がけています。

直接燃焼式・触媒燃焼式・プラズマ方式の脱臭装置を扱っており、臭気の濃度や排気条件に応じて複数の方式を検討できます。

パルスプラズマ脱臭装置は、低濃度・大風量の複合臭気を対象とする製品です。必要な用役は電力のみで、乾式のため維持管理が比較的容易とされています。

また、食品工場も参考使用例に挙げられています。

低濃度・大風量の複合臭気を、燃料や薬品を使わずに処理したい工場が主な対象です。

ただし、公開情報では個別の導入成果や脱臭率は確認できないため、適用の可否は現地調査で確認する必要があります。

さらに詳しい情報は公式サイトでも確認できます。ぜひチェックしてみてください。
▼サンレー冷熱株式会社の公式サイトはこちら

サンレー冷熱株式会社の口コミ評判記事はこちら!
▼サンレー冷熱の排ガス処理装置を徹底解説【2026年最新】燃焼技術とアフターサービスの強み

カンケンテクノ|活性炭吸着などの排ガス処理技術を展開

カンケンテクノ株式会社公式HP画像
引用元:カンケンテクノ株式会社公式HP
会社名カンケンテクノ株式会社
住所〒617-0833
京都府長岡京市神足太田30-2
電話番号075-955-8823
公式サイトURLhttps://www.kanken-techno.co.jp/

カンケンテクノは1978年設立の大気環境保全装置メーカーで、京都府に本社を置き、除害装置や脱臭・VOC処理装置などを手がけています。

熱酸化分解式や活性炭吸着式、湿式スクラバなどの装置を扱っており、小風量から大風量まで幅広い排気条件に対応するとしています。

活性炭吸着装置は低濃度ガスの処理に適しており、活性炭の再生・再利用が可能なほか、小型のカートリッジ式から大型装置まで選択できる点が特徴です。

低濃度の臭気を吸着で処理したい工場や、複数方式を比べて選びたい工場に向いています。

公式サイトでは食品工場への導入実例が紹介されていますが、処理対象や改善率は確認できないため、油煙を含む排気への適用条件や吸着材の交換周期は個別に確認が必要です。

カンケンテクノ株式会社の口コミ評判記事はこちら!
▼カンケンテクノの脱臭・VOC処理装置とは?特徴を比較【2026年最新】

中外炉工業|燃焼技術を活用した排ガス処理設備を展開

中外炉工業株式会社公式HP画像
引用元:中外炉工業株式会社公式HP
会社名中外炉工業株式会社
住所〒541-0046
大阪府大阪市中央区平野町3-6-1
電話番号06-6221-1251
公式サイトURLhttps://chugai.co.jp/

中外炉工業は、大阪市に本社を置き、熱技術を核に工業炉や熱処理炉、大気浄化(脱臭)設備を手がけています。

大気浄化装置として、蓄熱式排ガス処理装置や直燃式(直接燃焼式)の処理設備などを展開しており、オイルミストやダストを含む排ガス向けの分解設備も公開されています。

受託テストの案内も公開されており、導入前の検証について相談できる点が特徴です。

加熱・乾燥工程の排ガスなど、燃焼処理を前提に検討したい工場の比較候補です。

ただし、公開情報では食品工場への具体的な適用実績は確認できず、必要な燃料や熱回収の条件は個別に確認する必要があります。

中外炉工業株式会社の口コミ評判記事はこちら!
▼中外炉工業の直接燃焼式・蓄熱燃焼式排ガス処理装置を比較【2026年最新】

3社の対応方式・適用条件・公開事例・維持管理の特徴を比較すると、次のとおりです。

比較項目 サンレー冷熱 カンケンテクノ 中外炉工業
対応する脱臭方式 直接燃焼式、触媒燃焼式、パルスプラズマ 触媒式、直接式、蓄熱式、濃縮式、活性炭吸着、湿式スクラバ 蓄熱式、直燃式、濃縮排ガス処理システム
想定される臭気・排気条件 プラズマは低濃度(10ppm以下)・大風量(毎分10〜600m³) 小風量から大風量まで。活性炭吸着は低濃度向け VOCなどの排ガス。オイルミスト・ダストを含む排ガス向け設備もあり
食品工場への公開事例 参考使用例として記載。導入成果は確認できず 活性炭吸着装置の導入実例に記載。詳細は確認できず 食品工場の記載は確認できず
設置条件・維持管理の特徴 プラズマは電力のみで乾式。型式別の概算寸法を公開 活性炭は再生可能。カートリッジ式の小型から大型まで 受託テストとメンテナンスの案内あり
導入前に確認したい点 個別の適用可否と脱臭率 吸着材の交換周期、油煙を含む排気への適用条件 食品工場での実績、燃料と熱回収の条件

※表の内容は各社の公式サイトで確認できた範囲です。

食品工場に脱臭装置を導入するまでの流れ

脱臭装置の導入は、調査・見積もり・工事・性能確認の4段階で進みます。

各段階で確認したい点を、環境省の手引きを参考に整理します。

現地調査から見積もり工事性能確認まで導入の四段階を示す図

現地調査と臭気測定で発生源を特定する

まず、臭気の発生源や排気条件を調査し、脱臭後に達成すべき目標値を設定します。

環境省の手引きでは、事前調査項目として、発生工程と稼働条件、排気の風量・温度・湿度、成分濃度とその変動、臭気指数、ミストやダストの有無を挙げています。

あわせて、規制の基準、敷地境界や住宅地までの距離、設置スペース、納期、予算も整理の対象です。

臭気の影響範囲は、発生源の作業に従事していない人が周辺を巡回し、嗅覚で確認する方法が望ましいとされています。

事前調査を専門の調査機関に委託する場合は、国家資格の臭気判定士が所属しているかどうかが、委託先を選ぶ判断材料になります。

目標値を過度に厳しくすると初期費用や運転費が増える可能性があるため、法令上の規制基準や周辺環境を考慮して設定することが重要です。

出典:環境省「防脱臭技術の適用に関する手引き(平成15年3月)」

複数メーカーの提案・見積もりを比較する

次の段階では、調査結果を見積依頼書にまとめ、複数のメーカーに同じ条件で提案を求めます。

手引きでは、臭気の特性やガス量、設置場所、目標値などをできるだけ開示し、イニシャルコストとランニングコストを含む基本計画の提示を求めることが推奨されています。

見積依頼時に提示する条件と、メーカーに求める提案内容の目安は次のとおりです。

事業者が提示する条件 メーカーに求める提案内容
臭気ガス量・温度・水分 脱臭方式と基本計画
臭気成分・濃度・変動 イニシャルコスト、ランニングコスト
運転条件(稼働時間など) 予備部品、消耗品
脱臭の目標値 試運転・調整の案、納入・検収の条件
電気・燃料・用水・排水の条件 維持管理案(保守契約、アフター体制)
設置スペース・納期・施工範囲 納入実績、類似施設での脱臭効率データ

比較では設備費だけに偏らず、脱臭性能、耐久性、運転費、維持管理のしやすさを含めて総合的に判断することが重要です。

可能であれば、稼働中の実機を見学することも有効とされています。

契約前には、運転開始後のアフターサービスの内容・期間や、脱臭性能の保証条件についても確認しておきましょう。

出典:環境省「防脱臭技術の適用に関する手引き(平成15年3月)」

工場の稼働計画に合わせて設置工事を進める

設計内容が固まったら、工場の稼働計画に合わせて現地工事の日程を組みます。

手引きが示す一般的な流れは、打ち合わせでの最終確認、現地工事、出来形検査、試運転、性能確認、引渡しの順です。

工事では電源や用水・排水設備などを使用するため、生産ラインの停止が必要な時間帯や機器の搬入経路を、メーカーと事前に共有しておくことが重要です。

燃焼式脱臭装置は、方式や設備仕様によって運転開始までの昇温時間が異なります。

特に間欠運転を行う食品工場では、起動時間や停止・再起動時の燃料消費をメーカーに確認し、生産ラインの稼働計画に適した設備を選ぶことが重要です。

排水を伴う方式や廃棄物が出る方式では、放流先の確認や産業廃棄物の処理契約が必要になる場合があるため、工事前に手続きを洗い出しておくことが重要です。

出典:環境省「防脱臭技術の適用に関する手引き(平成15年3月)」

試運転と臭気測定で導入後の性能を確認する

最後の段階では、試運転で装置が設計どおり動くことと、脱臭性能が目標を満たすことを確認します。

手引きでは、ならし運転のあとに関係者の立会いで総合試運転を行い、機能と脱臭性能を確認する流れが示されています。

脱臭性能を確認する際は、実際の運転条件に近い負荷をかけ、装置の入口と出口で試料を同時に採取します。そのうえで、簡易測定や公定法に基づく測定を実施します。

手引きに掲載された報告書の例では、臭気指数が装置入口の34から出口の21に低下し、保証値である25以下を達成しています。

目標値は工場の条件や地域の規制で変わるため、この数値は報告書の例として参考にとどめてください。

公定法の測定は臭気判定士が所属する測定機関などに依頼し、定期測定は半年から年1回程度が望ましいとされています。

引渡し後は事業者が自ら運転するため、運転方法と保守の説明を受けておく必要があります。

出典:環境省「防脱臭技術の適用に関する手引き(平成15年3月)」

食品工場の脱臭装置に関するよくある質問

後付けの可否、法規制、効果の確認方法、苦情への対応の4点に、結論から順に答えます。

自社の状況に当てはめて確認してください。

既存の換気設備に脱臭装置を後付けできますか?

後付けは、既存ダクトの状態・設置スペース・ファンの余力などの条件が合えば可能ですが、現地調査での確認が前提です。

環境省の手引きでは、脱臭装置を新設する前に、既存の設備で対応できないかを検討するよう示されています。

たとえば、既設の脱臭設備に処理能力の余裕があれば排気を接続する方法や、臭気濃度が低い場合に既設ボイラーの燃焼用空気として利用する方法が挙げられています。

新設する場合は、脱臭風量が大きいほど装置が大きくなり、設備費も高くなるのが一般的です。

工場全体の換気を処理するより、発生源の近くで臭気を捕集して風量を減らすほうが、費用を抑えやすくなる場合があります。

ダクトの口径や圧力損失、設置場所の耐荷重、電気・用水の条件は、メーカーの現地調査で確認してもらってください。

出典:環境省「防脱臭技術の適用に関する手引き(平成15年3月)」

食品工場の臭気対策にはどのような法規制がありますか?

食品工場の臭気対策に関する主な法律は悪臭防止法です。

同法の規制地域内にある工場・事業場は、規模にかかわらず規制の対象となります。

規制地域は都道府県知事や市長が指定し、特定悪臭物質(22物質)の濃度規制か、嗅覚を用いた臭気指数規制のいずれかが自治体ごとに選ばれます。

基準は、敷地境界線、気体排出口、排出水の3か所に設けられるのが基本です。

規制基準 対象 臭気指数規制での内容
1号基準 敷地境界線 臭気強度2.5〜3.5に対応する範囲(臭気指数10〜21)
2号基準 気体排出口 排出口の高さに応じて設定(15m未満は臭気指数、15m以上は臭気排出強度)
3号基準 排出水 敷地境界線の基準値に16を加えた値

※実際の基準値は自治体ごとに定められます。

規制基準を超えて住民の生活環境が損なわれていると認められると、市町村長から改善勧告や改善命令が出され、命令に違反した場合は罰則の対象になります。

悪臭を伴う事故が起きたときは、市町村長への通報と応急措置の義務もあります。

自治体が条例で独自の規制を定める場合もあるため、規制地域の指定や基準値は、工場の所在地の自治体に確認してください。

出典:

環境省「悪臭防止法の概要」
環境省「廃棄物処理施設生活環境影響調査指針 5.悪臭関連」
e-Gov法令検索「悪臭防止法(昭和46年法律第91号)」

脱臭装置の効果はどのような数値で確認できますか?

脱臭効果は、装置の入口と出口における臭気指数・臭気濃度・特定悪臭物質の濃度を測定し、それぞれの変化や除去率を比較して評価します。

臭気指数は、臭いが消えるまで無臭の空気で希釈した倍率(臭気濃度)の対数に10を掛けた値で、臭気濃度1,000が臭気指数30にあたります。

三点比較式臭袋法では、においのある袋1つと無臭の袋2つを用意し、6人以上のパネル(判定者)がにおいのある袋を選びます。

指標 何を表すか 主な使いどころ
臭気指数 臭気濃度の常用対数を10倍した値。 複合臭の評価や臭気指数規制との比較に使用する。
臭気濃度 においを感じなくなるまでに必要な無臭空気による希釈倍率。 脱臭装置の入口・出口における性能評価などに使用する。
特定悪臭物質の濃度(ppm) アンモニアなど22物質それぞれの濃度 物質濃度規制の基準との比較、成分ごとの除去率
臭気強度 臭いの強さを0〜5の6段階で表した値 敷地境界の規制の目安(2.5〜3.5)
除去率(%) 装置の入口と出口の濃度の比較 装置の性能評価

複合臭が多い食品工場では、成分ごとの濃度が基準内でも臭いが残る場合があるため、臭気指数も合わせて確認することが重要です。

手引きでは、臭気濃度300程度の厳しい目標値に単独の脱臭方式では対応できない場合、活性炭吸着による仕上げ処理が行われることもあるとされています。

脱臭装置の入口出口測定と三点比較式臭袋法の流れを示す図

出典:

環境省「防脱臭技術の適用に関する手引き」
環境省「臭気指数及び臭気排出強度の算定の方法」
環境省「臭気指数規制ガイドライン」

脱臭装置だけで近隣からの臭気苦情を解消できますか?

脱臭装置だけでは、近隣からの苦情を解消しきれない場合があります。

環境省の手引きは、臭気対策を、発生の抑制、効果的な捕集、脱臭装置の設置、維持管理の4つに分けて考えるよう示しています。

環境省のパンフレットでは、脱臭装置を設置せずに、臭気の発生抑制や排出口の改善などで対応できるケースも紹介されています。

排出口の位置を変更したり、隣接する建物より高い位置に設置したりすることで、苦情が解決した事例です。

環境省の飲料工場の事例では、活性炭フィルターの設置に加え、汚泥ホッパーにカーテンを設けて臭気の拡散を抑え、排水処理の苦情がなくなりました。

カンケンテクノの公式サイトも、出口の基準値は満たしたのに苦情が減らなかった例を挙げています。

臭気に関する苦情が寄せられた場合は、申立者の状況を確認するとともに、臭気の発生源を調査し、原因に応じた対策を講じることが重要です。

臭気の発生抑制捕集脱臭維持管理と苦情対応の流れを示す図

出典:

環境省「防脱臭技術の適用に関する手引き」
環境省「悪臭苦情対応事例集」
環境省「悪臭対応参考事例集 ~サービス業・その他編~ No.2 食料品製造工場(飲料製造工場の排水処理施設の脱臭)」

まとめ|食品工場の臭気に合った脱臭装置を選ぼう

食品工場の脱臭装置は、臭気の発生源・濃度・排気風量を調べたうえで、条件に合う方式を選ぶことが基本です。

条件別に整理すると、次の方式が候補になります。

  • 低濃度・大風量の複合臭気:プラズマ脱臭方式
  • 低濃度の臭気を燃料なしで処理したい場合:活性炭吸着方式
  • 加熱・乾燥工程の排ガス:燃焼式・蓄熱式
  • 排水処理の腐敗臭:生物脱臭方式や薬液洗浄方式

費用は初期費用だけでなく、運用費や保守費を含めた年間費用で比較することが重要です。

脱臭装置だけに頼らず、発生の抑制や捕集、排出口の工夫、維持管理もあわせて進めると、苦情の解消につながりやすくなります。

まずは現地調査と臭気測定で排気条件を把握し、サンレー冷熱・カンケンテクノ・中外炉工業など、複数のメーカーに同一条件で提案や見積もりを依頼しましょう。

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